ここから本文です

旅行にデジカメ、やめました

8/1(火) 8:38配信

ITmedia エンタープライズ

 前回に続き、海外旅行のお話です。今回の旅行の大きな発見は、「もう、旅行にデジタルカメラはいらない」ということです。

【画像】これら全ての写真を動画で見られるなんて……。思い出をSDカードに閉じ込めておくのがもったいなくなりました

●高画質と引き換えに犠牲になるもの

 最新のデジタルカメラは小さくても、高画質な写真を撮影できます。ズーム機能や本格的なストロボも実装されていて、旅行の思い出を残すための必需品でした。

 しかし、それも恐らく過去のことになりそうだと思ったのは、やはりスマートフォンのカメラ画質の向上と、カメラを取りまく環境の強化を体感したからです。

 スマートフォンは今やPCと同じくらいの処理能力を備え、常にインターネットにつながっています。そのため、単体のデジタルカメラとは異なる進化を遂げてきました。

 私も今回の取材旅行には小さめのミラーレスデジタルカメラを持参し、撮影を続けていました。高画質できれいに撮れますし、ズームもあるのでしっかりと対象物に寄ることができます。ソフトウェア処理ではない光学的にきれいなボケもでますし、やはり専用機器は素晴らしいと思います。

 しかし、面倒なこともあります。例えばSNSに投稿したくてもスマートフォンに移すためには若干の煩雑な操作が必要ですし、せっかくのきれいな写真データもPC(もしくは外付けHDDやNAS)にため込むことになり、その写真を見るにはやはり数ステップが必要です。

 仕事の撮影ならいいですが、個人旅行に持っていく場合、デジタルカメラはちょっと気軽さに欠ける感もあります。軽くなったとはいえ、そこそこかさばる精密機械を大事に持ち歩くことになります。そうして撮った写真はPCの中にしまい込まれて、さっと振り返ることもできません。高画質とのトレードオフのこの代償は、そろそろ見直すべきなのかもしれないと思ったのです。

●iPhoneの“動く写真”にハマる

 一方のスマホはといえば、持ち歩かないわけにはいきません。そして最近のスマホは驚くほど高画質なだけでなく、デジカメではやりづらいことがさらっとできてしまいます。

 その代表格ともいえるのが、iPhone 6s以降から使える「Live Photos」です。これはディスプレイ上部中央にあるLive Photosボタンをオンにして撮影することで、シャッターを押した前後1.5秒、トータルで3秒の短い動画を同時に撮影するというものです。

 百聞は一見にしかず、ぜひ見てもらいましょう……といいたいところですが、Live Photosを見る方法がFacebook投稿くらいしかないのです。見たい人は、このURLに、スマートフォンのFacebookアプリからアクセスしてみてください。1枚の写真が、生き生きと動くことが分かります。

 実はLive Photosの面白さに気付いたのは、旅行も後半になってからでした。この機能を知ってはいたのですが、実際に使うまでこれほど楽しいとは思ってもいなかったのです。それからというもの、デジタル一眼はホテルの部屋に置いて、全ての撮影をiPhone1台でこなすようになりました。

 うれしかったのは、実は帰国後でした。これまで撮影した写真が、生き生きと動くのです。動かないものを撮影した写真でも、Live Photosなら「音」の情報も記録されています。しかも、その写真はいつでも、手元にあるiPhoneで振り返ることができます。

 ズームもなければ細かい調整もできないカメラで撮ったコンテンツではありますが、旅行の写真は「高い画質よりも、動く思い出」だと実感したのです。

●待ち遠しい新OSの機能強化

 このように、スマートフォンで旅行中の全ての撮影をこなすことも一般的になりつつありますが、“分かってはいる”ものの、踏ん切りが付かない人もいるのではないでしょうか。

 私もこれまでは、旅先のふとした瞬間に「デジタルカメラを持ってくればよかった!」と後悔しないように、常にデジタルカメラも一緒に持ち歩いていました。でも、今回の旅行で思い切ってiPhoneだけにしてみたところ、意外と困らないことが分かったのは大きな収穫でした。

 ただ、人によっては、iPhoneだけだと「動画の保存容量が少ないのでは」と心配になるかもしれません。しかし、Appleは2017年秋に登場予定のiOS 11で、より高い圧縮率の動画コーデックに対応すると発表しています。そうなれば、細かいことを気にせず常にLive Photosをオンにできるでしょう。

 特に猫や犬などのペットや赤ちゃん、小さな子供などを撮影するなら、撮影したときの臨場感がそのままよみがえるLive Photosを強くお勧めします。きっと、1週間後、1年後、10年後に振り返って「あのときLive Photosにしておいてよかった!」と思うはずです。

●さらに重要になる“バックアップ”の存在

 このように思い出を楽しく振り返ることができるLive Photosですが、いいことばかりではありません。実際に使ってみて感じた課題は2つあります。

 1つはSNSでシェアしにくいこと。FacebookにはLive Photosをそのまま投稿できる機能がありますが、その他のアプリではまだ難しいのです。それでも、この「動く写真」の可能性は大きく、もしかしたらいつかITmediaの記事の写真も「何で動かないの?」といわれる時代が来るかもしれません。

 そしてもう1つの課題は、写真データの重要性がより大きくなること。スマホで写真を撮りまくる場合、その端末自体を無くしてしまったら泣くに泣けません。そのため、スマートフォンの「バックアップ」をしっかり取っておくことが、今まで以上に重要になります。

 iOSならば、「iCloudフォトライブラリ」をオンにすれば、自動で端末側の写真がクラウドにバックアップされます。今回の旅行でたくさん写真を撮ったため、クラウドストレージの容量もそれなりに必要になりましたが、思い出を守るためと思えば安いものかもしれません。