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中山間地で自動運転 送迎や集荷実証 国交省

8/1(火) 7:01配信

日本農業新聞

 国土交通省は31日、交通の便が悪い中山間地で車の自動運転による高齢者の送迎や農作物の集荷などの実現に向けた検討会を発足させた。全国13カ所の道の駅で今夏から、ビジネスとして成り立たせる実証試験に着手。試験を踏まえ、自動運転を可能にする手法や車両の機能、事業の在り方などを検証し、2020年までの実現を目指す。

 自動運転は、情報通信技術(ICT)などを活用して、人が運転操作をしなくても自動で車を走らせる。道路に埋設したセンサーを感知して走るものや、衛星利用測位システム(GPS)によって自車位置を特定しながら走るタイプなどがある。

 中山間地では、自動車運転免許を返納する高齢者が増える一方、路線バスの廃止が相次ぐ。このため、買い物や通院などの外出が難しい“交通弱者”が増えている。旅客や物流を担う運転手の不足も課題だ。同省は、地域の要所にある道の駅を拠点に、自動運転のモデルづくりに乗り出す。

 実証試験では、道の駅に常駐させた車両を住民がスマートフォンで呼び寄せたり、定期路線で農産物直売所や病院、仕事場などを巡回させたりする。宅配便や農産物の集出荷、観光客の送迎などにも活用する。

 実験車両は小型バスや乗用車、カート型の車。すべて、当面は緊急時の操作や停止などのために係員や運転手が乗る。

 検討会は、交通や運輸分野の有識者や車両メーカー、公共交通、物流、福祉、観光、保険などの企業や団体の代表で構成する。

 同日の初会合で、委員を務めるJA全中JA支援部の山本雅之特別研究員は、農作物を出荷場所へ運ぶことが困難な高齢農家が増えていることを報告。「集荷拠点をつくり、そこを車両が巡る仕組みが必要」と提起した。

 東京大学大学院の鎌田実教授は「ビジネスとしての実現は容易でない。物流だけでなく、介護などの視点からも公的支援が必要」と指摘した。

日本農業新聞

最終更新:8/1(火) 7:01
日本農業新聞