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【コラム】意外とおつな外来ナマズ

8/1(火) 19:51配信

みなと新聞

 「ご隠居さん、菓子パンみたいな名前の魚があるんですかい」。縁台を出して夕暮れどきの冷酒を楽しんでいるところに、店子(たなこ)の八っちゃん。

 「もしかしてパンガシウスかな。ベトナム辺りで養殖している大きなナマズだよ」「かかあが精をつけなと昼飯でかば焼きがでたんでさ。ウナギとは味が少し違うなとは思ったんだ。あっしの稼ぎが悪いからってナマズとは」

 家に引っ返そうとするのを、ご隠居が「といっても日本のナマズとは違う科で、見かけも生態も全く違うんだよ」。メコン川などに生息する大型淡水魚で、臭みやくせのない上質な白身という言葉に、「なるほど」と八。

 パンガシウスも200キロ超えもあるバサ、身質がサワラに近いチャーなど養殖量は200万トンを超える。「輸出され、ナマズを食べるメリケン、食習慣がなかったけどフライとしてエゲレスなどや日本でも持ち帰り弁当などに使われているよ」

 講釈を続けるご隠居の肴(さかな)を口に入れながら、「この味付け刺身もいけるね」と八。「テラピアのカルパッチョだよ。30年前ほど前は『いずみ鯛』の名前で中華料理などによく使われたもんだ」

 外来の淡水魚もおつなもんだねと食べ続ける八。「そろそろ家に戻らないとおかみさんが夕飯作って待っているよ」と言うご隠居に、泰然と「あっしもナマズですから」。地震が来なければ動きません。

最終更新:8/1(火) 20:26
みなと新聞