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「リクルートはどこよりしつこく、諦めない」“天才”のひらめきでなく、新規事業を生み出し続ける仕組み(前編)

8/1(火) 21:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

リクルートが次々と新たな事業を生み出し、それを大きく成長させることができるのはなぜか。経営コンサルタントという立場から17年にわたってリクルートを見てきた、ボストンコンサルティンググループ日本代表の杉田浩章氏は新著『リクルートのすごい構“創”力』の中で、それは天才たちのひらめきではなく、確固とした仕組みやフレームワークによって作り上げられたものだと語っている。リクルートワークス研究所副所長の中尾隆一郎氏との対談から、新規事業を生み出し続ける「リクルートの構“創”力」の実際に迫った。

【画像】リクルートはなぜ次々と新規事業を生み出せるのか。ボストンコンサルティンググループ日本代表の杉田浩章氏(左)とリクルートワークス研究所副所長の中尾隆一郎氏が語った。

日常会話に常に出てくる「リボンモデル」

Business Insider Japan(以下BI):杉田さんとリクルートとの関わりはどのようにして始まったのですか?

杉田:最初に一緒にお仕事をさせてもらったのは、2001年のことです。当時はまだ紙の時代で、それをどうネット化していくかを議論している時期でした。まだ「本当に広告がネットになるのか?」「なったとしても単価が何十分の一になるのでは事業として成り立つはずがない」という声が多く、会社としても二の足を踏んでいたんです。でも、当時の経営企画の人たちは、ネット化を進めることの必要性を経営陣に訴えたいと考えていた。そこでいくつかの事業領域におけるネット化進展の事例を提示し、それをサポートするというところから、お付き合いが始まりました。

BI:中尾さんとの出会いは?

中尾:その後、リクルートがカンパニー制を敷き、私はそれぞれのカンパニーを監査する立場になりました。就任するにあたって1日研修があったのですが、そこで講師をやっていたのが杉田さんです。

BI:杉田さんは著書の中で、「リボンモデル」「RING」「ぐるぐる図」など、リクルートが次々と新規事業を生み出せる背景には、いくつもの独自の仕組みやフレームワークがあると語っています。こうしたものは、お二人が出会った当時からすでにあったのですか?

中尾:RINGに関しては当時からありました。

杉田:1981年に創設されたRINGは、日常業務の改善活動について成果発表をする会として始まり、1990年代に入って、新規事業の創出に特化したNew RINGへとリニューアルされたと聞いています。新しいものを生み出すという風土そのものを作ることに重きが置かれていた時代もあれば、実際に多くのアイデアが持ち上がるようモチベートすることが重要視された時代もあり、その後も何回か刷新されていますが、変わったのはどこに力点を置くかという点であって、新規事業を作るという目的自体は一貫していると認識しています。

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