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ホリエモンロケット「MOMO」、打ち上げ後の機体に何が起こったか?

8/1(火) 21:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

既報の通り、国内初の民間ロケット会社による軌道実証を目指したホリエモンロケット「MOMO」の打ち上げは、宇宙空間には至らなかったという意味で“失敗“した。MOMOは上空でロケットの状況をモニタリングする飛行データ(テレメトリーという)が途絶えたため、打ち上げから66秒後、地上からのコマンド送信によりエンジンを緊急停止した。これによって飛行終了し、北海道・大樹町の太平洋岸沿いの射場から沖合約6.5kmの周辺海域に落下したと見られる。

【画像】打ち上げ終了後、右からISTの稲川貴大社長、堀江貴文氏、ロケット打ち上げ開始ボタンを購入した芹澤豊宏氏、町を挙げて協力した大樹町の酒森正人町長。

民間ロケット会社の打ち上げ成功を見届けようと現地入りしていた筆者は、打ち上げのそのとき、見学場所として用意された大樹町の「SKY HILLS」にいた。SKY HILLSおよびプレスエリア周辺は、濃霧のため視界なし。轟音をあげて飛び立ったMOMOの音だけを頼りに、正常に飛行しているものと期待していた。

MOMOの離床(地上設備からの離脱)を聴いていた印象では非常にスムーズで、プレスエリアで聞こえたエンジン音にも異常は感じられなかった。音は上空へ向かって消えていき、雲の上では正常な飛行を続けているものと思われた。だが、実際にはエンジン燃焼時間の予定120秒の半分を過ぎたあたりでエンジンは緊急停止コマンドで燃焼を停止していた。

エンジンの緊急停止が伝えられたプレスエリア周辺では、取材陣には当初なにが起きたのかわからず混乱。IST広報担当の笹本氏を取り囲んでは「何があったのか」「テレメトリーとは何か」と質問攻めで一時騒然となった。

当初、「緊急停止コマンド送信は約80秒後、沖合8km付近に落下」と報道されたのはこの時点の情報だった。

ホリエモンロケット「MOMO」の打ち上げは単純に“失敗“なのか?

今回のMOMOの打ち上げ実験では、宇宙の入り口とされる「高度100km」を超えるという目標が設定されていた。これを、クリアすべき「ミッション(使命)」と捉えるのであれば、到達高度およそ20kmと見られる今回の打ち上げ結果は「失敗」だ。

一方、別の見方もある。これまで高度数kmにとどまっていたロケットの飛行記録が伸び、新開発のエンジンも地上から緊急停止コマンドを送るまで、正常に動作した。また、安全管理上の手順を必要なタイミングで実行し、制御することもできた。こうした点は、民間ロケットが到達した成果として前向きに考えるべきだ。MOMOは試験機として立派な一歩を踏み出したと言える。

とはいえ、チーム一丸となって精魂込めて開発し、29日、30日と昼夜を問わないトラブル解決作業の末、打ち上げ期限ギリギリに無事離床したロケットを自らの手でミッション中断したインターステラ社関係者の葛藤は察するに余りある。

このときの状況を、稲川社長は、ごく短いツイートで打ち上げ実施責任者としてその責任を引き受けたことを明らかにしている。

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