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<水難事故>溺れた人どう救助? 「まず陸から、浮く物を」 二次被害防止呼び掛け

8/1(火) 10:50配信

千葉日報オンライン

 7月28日に千葉県君津市向郷のオートキャンプ場付近の小櫃川で児童2人が溺れ、助けようとしたキャンプ場管理人の女性が亡くなる事故があった。水難事故で救助者が犠牲になる二次被害は全国でも後を絶たない。日本赤十字社県支部の高橋満徳事業部長兼救護福祉課長(55)は「まずは水に入らずに助ける方法を考えてほしい。助ける側の安全を確保して行動して」と、“もしも”の時の冷静な対応を呼び掛ける。

 「救助者が水に入るのはリスクがある。助ける前提として水に入らないこと」。高橋さんが強調するのは、入水救助者が溺れた人に抱きつかれて共に溺れたり、溺れた人を引き上げる体力が尽きてしまう二次被害という、不幸な“共倒れ”を防ぐため。まずは、救助者自身の安全確保が第一だという。

 そのうえで、まずは救助隊が来るまで「浮いて待つ状態をつくること」を訴える。「身の回りの物を投げて、それで浮いて待てれば命を救うことにつながる」。たとえば2リットルのペットボトルやクーラーボックスなど浮力のある物を投げ渡す。近い場所なら棒やひも、衣類などを差し出してつかまらせるのも手だ。キャンプ場などの場合、浮輪や竹ざおをあらかじめ救助用として備えておくことも対策になる。

 仮に水の中に入るなら「ヒューマンチェーン」として複数の人が手首をしっかり握り合って水底を歩いて助けにいくことを勧める。その場合は「足がつかない所には入らない」。ロープがあれば、命綱として岸から支えてもらう。

 泳いでの救助は「かなりリスクが高い」。救助員養成講習受講における泳力の目安が500メートル泳げ、立ち泳ぎ3分といい、高橋さんは「往復分の体力が必要になる」と難しさをにじませる。

 さらに、水底が浅いからといって油断は大敵。「流れのある川は大人でも膝ぐらいの水深で体を持っていかれてバランスを崩して事故につながるケースがある。いきなり深くなることもある」と警鐘を鳴らした。

 一方で溺れた場合はパニックを起こさず、落ち着いて浮く状態を保つことが大事になる。あお向けになり、不用意に声を出さず手足を動かさない。「基本的に人は大きく息を吸って呼吸を止めると浮く。声を出し続けると、肺の空気が出る」と高橋さん。無理して着衣を脱ぐ必要はなく、靴が浮力になることもあるという。