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【世界文化遺産】「今年こそと思ってたのに」 縄文遺跡群5年連続推薦見送り

8/1(火) 11:41配信

デーリー東北新聞社

 国の文化審議会は31日、2019年の世界文化遺産登録を目指し、「百舌鳥(もず)・古市古墳群」(大阪府)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することを決めた。北海道と青森、岩手、秋田の3県による「北海道・北東北の縄文遺跡群」は「構成資産が持つ優位性、特異性について、もう少し説明が必要」などとして、5年連続で推薦が見送られた。「今年こそは、と思っていたのに」と各地から落胆の声が漏れた。一方で、来年度以降の推薦を得るため「地域を巻き込んで遺跡の周知をしていく」と意気込みが聞かれた。

 青森市の三内丸山遺跡に隣接する縄文時遊館では午後4時すぎ、三内丸山応援隊の一町田工(いっちょうだたくみ)代表理事に推薦見送りの連絡が入った。一緒に待機していたメンバーは「がっかり」「信じられない」と肩を落とした。

 約100人が所属する応援隊。20年以上ボランティアガイドなどの活動を展開してきただけに、一町田さんは「もう5回目だ。『今回こそ』と思っていたのに」と無念さをにじませた。

 二ツ森貝塚を有する七戸町世界遺産対策室の小山彦逸室長は「残念の一言に尽きる」と落胆の表情。一戸町の御所野縄文博物館の高田和徳館長は「土の中にあるものの価値を伝える難しさを実感した。結果を真摯(しんし)に受け止めるしかない」と残念そうに話した。

 今後の取り組みについて、是川縄文館の古舘光治館長は「普段の活動の積み重ねが登録へつながると信じている」、八戸縄文保存協会の栗村知弘会長は「行政と民間団体が協力して来年こそは登録を目指す」と次を見据える。

 活動を先導してきた青森県世界文化遺産登録推進室の岡田康博室長は、「(構成資産を減らすなど)抜本的な見直しは考えていない。登録実現に向けて必要な作業をしていくだけだ」と淡々と話した。

 一方、弘前大人文社会科学部の関根達人教授(考古学)は「県はもっと客観的な視点で構成資産を見直すべきだ。なぜこの17遺跡なのか理屈が通っていない」と指摘し、根本的な価値の検討が必要とした。

デーリー東北新聞社