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フレデリック、新体制後初のMVに込めた想い 撮影密着取材で探る/レポート

8/1(火) 18:01配信

MusicVoice

 4人組ロックバンドのフレデリックが8月16日に、2ndシングル「かなしいうれしい」をリリースする。それに先駆け6月某日、川崎市内で、同曲のミュージックビデオ(MV)の撮影がおこなわれた。MusicVoiceは過去に「オワラセナイト」と「トウメイニンゲン」のMV撮影に密着してきた。今回も機会に恵まれ、MV撮影では3度目、全体では5度目の密着取材となる。リズムは彼らにとって命だ。そのリズムを分かりやすく視覚化しているのがMVだ。新4人体制で臨むMV撮影。彼らにとってどういうものになったのか、情景描写と4人、そしてスミス監督の声を織り交ぜながらレポートしたい。

■全スタジオ撮影の意図

 フレデリックは三原健司(Vo、Gt)と三原康司(Ba、Cho)、赤頭隆児(Gt)、高橋武(Dr)からなるロックバンド。もともと4人組だったが、3人編成となり、今年、サポートだった高橋が加入し、再び4人組となった。彼らにとってリズムは命。3人編成になったときに、失った4つ目のリズムを求めておこなったツアーが、今や定番にもなった『フレデリズムツアー』。ここで、4つ目のリズムが観客にあると確信を得た彼らは飛躍的に成長を遂げていく。その過程をドラムとしてサポートしてきたのが高橋であり、今回、正規メンバーとして加わったことの意味は大きい。そして、彼らを一気に押し上げた「オドループ」に見られる特性を放ったMV。そもそも「オドループ」は公開当初からミニマルなフレーズと独特の歌詞、そしてMV中の無表情な女性モデル2人が街を疾走するシュールさと相まって「頭から離れない」と話題になった。現在、YouTubeでの再生数は2300万回を超える。その後も独自性あふれる彼らの世界観は、しばしば“中毒性”とも呼ばれ、数多くのファンを魅了している。彼らにとってキーを握るMV、そしてリズム。4人体制で臨む今回のMVにはおのずと注目が集まる。

 「かなしいうれしい」は、7月3日から放送されているテレビアニメ『恋と嘘』のオープニング曲。漫画家のムサヲ氏による同名漫画が原作。結婚相手を科学的見地から政府により決められ、以降恋愛を禁止されるというディストピア的世界観を描いた物語。「かなしい」と「うれしい」というふたつの相反する感情が織り交ぜられた歌詞と、フレデリックらしいミニマルなサウンドが耳に残る楽曲で、コーラスワークが曲を美しく彩る。康司は「お話をいただく前から原作とは出会っていて、作品の中にある『嘘』への純粋な想い、繊細な絵のタッチにとても惹かれました」と原作の世界観に惹かれていたという。

 彼らのMVは、「オドループ」から一貫して市街地や都市ビルでの屋外ロケの作品であった。しかし、今作ではバンド史上初の全スタジオ撮影。これまでに、氣志團やマキシマムザホルモン、AKB48やNMB48、いきものがかりなど、数多くのミュージシャンのMVを撮影している気鋭の映像作家・スミス氏が監督を務める。スミス監督はフレデリックのMVをこれまでも手掛けているが、今作で初めての全映像をスタジオで撮影したことについて「とにかくシンプルにしたくて場所がどこというよりは、抽象的なものにしたかった」とその狙いを明かした。

 今回の現場は最寄り駅から徒歩15分ほど離れた、大通り沿いのスタジオ。午前9時半前にはすでにメンバーは現場入りしていた。広大な土地にどっしりと構えていて、外からは工場にも見間違えそうな雰囲気だ。重厚な扉を押し開け、中に入るとその天井の高さに圧倒される。中には監督、スタッフ、関係者らが慌ただしくセットの間を動き回り、活気も感じられた。この場所で一体どのような作品が生まれるのか、期待も膨らむ。

■4人それぞれの想い

 高橋が加入後初のMV撮影。康司は「4人でこうやって撮影できるのは感慨深いものがありますね」と言い、「ライブと音源って違うじゃないですか。MVも一つの作品で、今までフレデリックが作り上げてきた世界観を見てもらえる場ですし、たくさんの人に聴いて欲しい。一作品として僕はどう動こうなど、考えたりしますね」とMVについて持論を述べた。

 高橋は「『OTOTUNE』以降、ライブやレコーディングで一緒に活動していたのでそのままという感じですが、確かにMVに映るというのは初めてだし、そこは新鮮です。僕も康司くんと同じで、ライブと音源は違うと思っていて、中でもドラムが入ることによってライブ感が増すと思うのでMVがライブと音源を繋ぐようなものになればと思います」と初めてのMV撮影に臨んだ。

 健司は「4人でバンド演奏シーンを撮るというのは、初めてなので。いわゆるよくロックバンドのMVで見られるような映像なのですが。そこが楽しみですね」と4人そろっての撮影についてコメント。

 赤頭は「3人だから、やれたことというのもあるのですが。でも4人でやると、やっぱりバンド感があってこれやな、と思います」と久しぶりの4人でのMV撮影についてしっくりきている様子。

 康司は「今まではロケでその場所が新鮮でいいこともあったのですが、気を張ることも多かった。スタジオだと気持ちに余裕が持てます」と今回の撮影ではリラックスしている様子も見えた。

 さらに、高橋は「3人の視覚的表現の部分は上がっていると思うので、そういう部分も見て欲しいですね」と見どころを述べた。

 「かなしいうれしい」について、康司は「どちらかと言うと、ミドルテンポでこれだけ寄り添える曲だな、と思っていて。肩ひじ張らずにスッと入ってくる曲で、フレデリックにとって等身大の曲だと思っています。今作はアニメのタイアップで、一緒に僕らと作品を作って頑張ってくれる人がいて。たくさんの人に聴いてもらいたいと思うし、この曲をMVで撮れることは嬉しいです」と語った。

 健司は「これから4人で初めてということは段々なくなっていく。初めてのツアー、初めてのMV撮影…。だからこそ、その瞬間は大事だと思っています。その瞬間を皆さんにも見届けて欲しいです」と今回のMVについて特別な気持ちを明かした。

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最終更新:8/1(火) 18:01
MusicVoice