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“新再生”発電単価、ますます低下…電気料金暴騰の根拠は薄弱

8/1(火) 7:22配信

ハンギョレ新聞

脱原発論争、これがファクトだ (2)電気料金“暴騰”予測を巡る論争

■“脱原発”すれば電気料金が暴騰するのか?

 韓国の電力市場で発電単価が最も低いエネルギー源は原子力発電だ。発電比率も高い。原子力界ははるか以前から「原発は最も経済的な電源であり、他の電源に変えれば電気料金が上昇するという問題が生じる」と主張してきた。安い価格でたくさん食べられる食堂がなくなれば、外食費の負担が大きくなるという主張だ。しかし、電気料金は外食費とは異なり、材料価格がまともに決められているのかから問い詰めて、料理の量が適切かも調べてみなければならない。

現在の発電単価を一律適用するのは誤り
脱原発国家の引き上げ率は韓国より低い
営業黒字の韓電、上昇分負担も可能

 電力の卸売商である韓国電力は、産業用と家庭用電力を分けて販売する。家庭用は使用量が多くなるほど単価が上がる“累進制”を適用している。使用量が多い産業用の場合には、電力需要が少ない時に電力を使えば割り引きする。

 電気料金の暴騰をめぐる論争は、ほとんどが家庭用に集中している。家庭用電気料金の推移は、そのままエネルギー政策に対する世論につながることになる。原子力界では、2016年基準で発電量比率が有煙炭(45.9%)に次いで高い原子力発電(37.1%)がなくなれば、電気料金が暴騰するという点を強調する。原子力工学科の教授を中心に集まった「責任性あるエネルギー政策の樹立を求める教授一同」は今月5日、政府の脱原発政策に反対し「脱石炭と脱原発(原子力発電所を建設せず、継続運転もしないケース)をすれば、27.5GW(ギガワット)の代替電力が必要だ」として「新再生エネルギーの比率を20%まで引き上げ、残りの電力不足分を液化天然ガス(LNG)発電に変えれば、19兆9000億ウォン(約2兆円)の追加料金がかかる」と主張した。電気料金が現在より36%上がるという予測だ。

 産業通商資源部傘下の国策研究機関であるエネルギー経済研究院も類似の予測を出した。エネルギー経済研究院は5月20日、文在寅(ムン・ジェイン)政府のエネルギー政策に対する予測を含む報告書で「新政府の政策を適用すれば、2016年基準の発電費用が21%増えて、これを電気料金に反映すれば世帯当り毎月1万2500ウォン(約1250円)を多く負担することになる」と分析した。

 しかし、“暴騰”の根拠が不十分だという指摘が出た。環境運動連合など環境団体は、エネルギー経済研究院の資料は原子力発電と石炭火力発電を中心に置き予測したと指摘した。「新再生エネルギーの発電単価が毎年下がっているが、現在の発電単価を2029年まで一律適用した」ということだ。最近、米国エネルギー庁(EIA)と英国の企業・エネルギー・産業戦略部(BEIS)が、2022~2025年頃には原子力発電が液化天然ガスはもちろん新再生エネルギーよりも高くなるという予測報告書を出したのも、こうした主張を後押しする。民間発電業界関係者も「エネルギー経済研究院の予測は、液化天然ガス発電所が原子力発電所・石炭を代替すると仮定する時、稼動率(平均40%)を据え置いて新たに建設することを前提にしているため発電費用負担を過度に予測した」と指摘した。論議が起きるとエネルギー経済研究院は該当報告書をホームページから削除した。

 民間研究所も脱原発・脱石炭をしても電気料金の暴騰はないだろうと見ている。現代経済研究院は5月に出した報告書で「今後5年間、石炭火力発電の一部を天然ガス発電に切り替えると仮定する場合、年間2.3~2.6兆ウォン(合計12兆ウォン)の費用がかかると推定されるが、これを世帯あたりの費用に換算すれば月1600ウォン(約160円)程度となる」と主張したことがある。また「発電単価に反映されない事故リスク費用と社会的費用を考慮すれば、寿命が満了した原子力発電所の延長を制限し、現在建設計画中の(新古里5・6号機を除く)原子力発電所の白紙化を通じて2030年までに全発電源に原子力が占める発電量比率を22%水準に下げなければならない」と提案した。発電単価を見直さなければならないという意味だ。

 さらに、韓電が電気料金上昇分を負担することも可能だ。原子力発電と石炭発電比率が高い電力を売ってきた韓電は、2016年に史上最高の12兆ウォン(1兆2千億円)規模の営業利益を出した。韓国の電気料金上昇率が、脱原発国家より高いという事実は、韓電が追加費用を負担しなければならないという主張を裏付ける。国際エネルギー機構(IEA)の「2016年電力情報」によれば、ドイツと日本の2010~2014年の家庭用電気料金(MWh当たりドル)増加率は、それぞれ23.9%、3.8%で、韓国(32.5%)より低かった。

キム・ソンファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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