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南砺平で自動運転実験 国交省

8/1(火) 5:05配信

北日本新聞

 国土交通省は31日、中山間地での移動手段などとして期待されている自動運転車の実証実験拠点の一つに、南砺市平地域を追加選定した。南砺市は、道の駅たいら周辺での実証実験を通じて安全性や収益性を見極め、本格運行を目指す。観光の周遊性や住民の利便性アップへの波及効果を狙う。

 南砺市は公共交通が手薄な過疎地の移動手段として自動運転に着目し、国交省の公募に応じた。希望するルートは、世界遺産・相倉合掌造り集落-道の駅間約8キロ。相倉集落の観光客を道の駅へ誘導するとともに、商店や診療所などが集まる下梨集落へのアクセスを確保し、観光活性化と住民生活の利便性向上の「一石二鳥」につなげる狙いがある。

 国交省が想定するルートは4~5キロ。今後、市や国交省北陸地方整備局、警察などが協議し、実証実験ルートや実施時期などを詰める。実施期間は準備作業を含め1カ月。安全性や運行経費などを検証し、2018年夏に中間結果をまとめる。国交省は20年までのサービス実現に向け、18年度以降も何らかの形で事業を継続する方向だ。

 市は市営バスの一環としての本格導入を想定。自動運転技術の進展を見定めつつ、利賀地域へのルート延伸の可能性も模索する。

 田中幹夫市長は「実証実験を一つのチャンスと捉え、新たな公共交通として位置付けられるよう、地元と調整したい」と述べた。

 国交省による追加選定は南砺市のほか、長野県伊那市など計8カ所に上る。

■地元から期待の声

 南砺市平地域での自動運転車実証実験の追加選定を受け、地元の観光関係者や住民から期待の声が上がる一方、事業化への課題を指摘する意見もあった。

 五箇山和紙製作を体験できる道の駅たいらは、利用客の中心が観光バスで訪れる団体ツアー。野原武次事務局長は、相倉との直結により「個人客の拡大につながる」とみる。

 道の駅がある東中江集落の住民にとっては、行政センターや診療所、JA支店への移動手段にもなる。日中は車を運転できる家族がいないという80代の女性は「乗りたいときに乗れる『足』があるのは便利」と喜ぶ。

 利用客の伸び悩みを危惧する声もあった。相倉集落で民宿を営む池端良公市観光協会五箇山支部長は「費用に見合う需要があるのか」と疑問を投げ掛けた上で「観光客や住民に必要とされるルートを検討する必要がある」と指摘した。

北日本新聞社

最終更新:8/1(火) 5:05
北日本新聞