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電話ボックス型テレワークブース、ブイキューブらが協業で展開

8/2(水) 7:00配信

アスキー

ブイキューブや日本マイクロソフト(日本MS)、レノボ・ジャパン、サイボウズなどが、働き方の改革を支援する「テレキューブコンソーシアム」を設立した。活動第1弾として、ブイキューブとレノボが共同展開する「テレキューブ」が発表された。
 ブイキューブや日本マイクロソフト(日本MS)、レノボ・ジャパン、サイボウズ、リクルートホールディングスなどが8月1日、働き方改革を支援する新たなコンソーシアム「テレキューブコンソーシアム」を設立した。活動の第1弾として、ブイキューブとレノボ・ジャパンが共同で展開するコミュニケーションブース「テレキューブ(TELECUBE)」を活用したテレワークの普及や、働き方改革の提案を行う。
 

 同コンソーシアムは、政府が推進する「働き方改革」を実現するうえで懸念や課題となることが多いコミュニケーションインフラの整備、安心して働くことができる環境の整備、改善を共同で実施していくことを目的としている。コンソーシアムには、日本テレワーク協会やプラチナ構想ネットワークも参画する。
 
「世の中は“テレワーク難民”だらけ」ブイキューブ・間下氏
 ブイキューブ 代表取締役社長の間下直晃氏は、日本企業におけるテレワーク導入率が「11.5%」と、米国(85.0%)や英国(38.2%)と比べて大きく遅れていることを指摘。政府が「2020年までに導入企業を2012年比で3倍にする」という目標を掲げているものの、企業の導入現場では社内コミュニケーションなどさまざまな面で課題が生じていると説明した。
 
 「企業においてテレワークを導入する場合に、社内コミュニケーションはどうするのかといった課題がある。不在者とのコミュニケーションや意志決定への反映をどうするか、在宅勤務で自宅に仕事をする部屋や場所があるか、オフィス内の自席でWeb会議をできるのか、といった問題を指摘する声もある。世の中は“テレワーク難民”だらけだ」(間下氏)
 
 こうした課題を解消するのが、テレキューブの製品コンセプトだという。テレキューブは、テレビ会議などのITサービスと防音性の高い空間スペースを統合した“公衆電話ボックス”タイプの製品で、企業向けモデルと一般向けモデルの2種類が用意されている。
 
 テレキューブのサイズは、底面が1.1×1.1メートル、高さが2.2メートル。重量は296キログラム。内部にはディスプレイやテーブル、電源コンセント(2口)、USB給電ポート(2口)、椅子を配置する。企業のオフィススペースだけでなく、オフィスビルの共用施設、サテライトオフィス、カフェ、商業施設、公共施設、空港、駅などへの設置を想定している。
 
 テレキューブの内部には、レノボ・ジャパンのWindows 10搭載PC「ThinkCentre M710q Tiny」が設置されており、PCには標準アプリ(TELECUBE App)としてブイキューブのテレビ会議サービス「V-CUBEミーティング」、MSのコミュニケーションプラットフォーム「Skype for Business」がインストールされている。
 
 間下氏は、将来的には防水機能のある屋外設置モデルも用意する予定であり、「コンビニの軒先や自販機の横などに置くことも想定している」と語った。なお、テレキューブは換気機能(一般向けモデルは冷暖房)を備え、電子マネー決済も可能にするほか、監視カメラや入退出管理システムの搭載によって、テレキューブ内での犯罪やテロの防止など「セキュリティ面の課題も解決していく」としている。
 
 さらに将来的には、テレキューブをテレワーク用途以外にも展開していくことも視野に入れている。具体的には、テレキューブに体温や血圧などを計ることのできる設備を設け、無医村などで、それらのデータを基にした遠隔医療を考えているという。
 
 企業向けテレキューブは月額5万9800円で提供、また一般向けモデルは無償提供し、利用者が時間課金などで利用できるようにする。企業向けには同日より販売を開始し、出荷は10月から。また一般向けモデルは今年中に販売を開始し、来年(2018年)上半期には出荷開始の予定。
 
 間下氏は「2017年中には100台、2018年に500台、2019年に1500台、2020年には3000台を販売し、2020年までに累計5000台強のテレキューブを販売したい」と目標を述べ、そのうち約1000台が企業向けモデルになるとの見込みを示した。
 
ITベンダーだけでなく幅広い企業がコンソーシアムに参画
 テレキューブコンソーシアムでは、「ビジネスパーソンが組織/チームで働くために必要不可欠なコミュニケーションのあり方」と「ビジネスパーソンが安心して働くことができる場所の整備」をテーマに、コンソーシアムに参加した企業が持つ知見とノウハウ、サービスを組み合わせ、働き方改革を実現させる環境の整備を目指す。コンソーシアム内には運営企画委員会、制作運用委員会、コミュケーションシステムグループを設ける。
 
 具体的な取り組みの一環として、今回のテレキューブの共同開発とオフィスや公共スペースへの設置展開があるが、ほかにも企業の生産性向上に貢献する「場」に何が必要なのかを調査/分析していく。さらに、働き方改革に関して各種プロジェクトを創出していくほか、当該プロジェクトの実施において必要となる規制改革の提言なども行っていくという。
 
 テレキューブコンソーシアムの会長には、プラチナ構想ネットワーク 会長であり、東京大学 第28代総長の小宮山宏氏が就任した。小宮山氏は、仕事や生活の姿が変化する中で「いまの実態を見ると、9時から17時まで社員全員が同じ場所で働く、という働き方が合わなくなっている。制度やハードウェアを変えていく必要がある」と、同コンソーシアムの役割を説明した。
 
 なお、会見では、テレキューブコンソーシアム参加各社/組織も出席した。各代表の発言要旨は以下のとおり。
 
 「日本テレワーク協会は、2000年に設立した。歴史から見ると新しいものではないが、ここにきて、社会要請もあり、テレワークへの関心が高まっている。テレワークはまだ普及が十分ではないが、テレワークをしたいという人は多い。テレキューブは、場所の問題を解決するソリューションになる」(一般社団法人日本テレワーク協会会長の宇治則孝氏)
 
 「日本マイクロソフトのミッションは、地球上のあらやる個人や企業が達成することを支援すること。このコンソーシアムと連携して、日本の企業の競争力強化と発展に寄与したい」(日本マイクロソフト常務執行役員の高橋美波氏)
 
 「当社は、12年前から働き方改革を進めてきた。この1、2年でその活動が認められてきたが、社会には違法な長時間労働問題がなお存在し、“残業しないためにテレワークを使う”という誤った動きもある。ITツールを使って、楽しく、柔軟に働ける方向に持っていきたい」(サイボウズの青野慶久社長)
 
 「当社はテレキューブ向けにThinkCenterを提供する。レノボはコンピューティングで世界を変えていく企業であり、それによって、ひとつひとつの課題を解決していく。コンソーシアムを通じた協創で取り組んでいきたい」(レノボ・ジャパンの留目真伸社長)
 
 「アイ・ティー・エックスは、全国に携帯電話販売のリアル店舗を持っており、そこにテレキューブを設置して、テレワークの広がりに貢献したい」(ノジマ取締役兼執行役副社長、アイ・ティー・エックス 取締役の野島亮司氏)
 
 「当社はオフィスの内装工事をやっている。テレキューブの筐体を作り上げた当社の職人の技術力は高い。今後も技術をブラッシュアップしたい」(機楽製作所社長の佐々木重孝氏)
 
 「テレワークを取り巻く周辺に多くの課題があり、それを解決していきたい」(大日本印刷・高田和彦執行役員)
 
 「ふたたび社会に役に立てる企業に戻りたい。新たな社会インフラサービスを提供する、という意識で参画を決めた。コンソーシアム活動を下支えしたい」(東京電力ホールディングスの見學信一郎執行役員常務)
 
 「森ビルはオフィスの場を提供する企業。その立場からみれば、テレワークの普及はいかがなものかという見方もあるが、テレワークをしている企業の生産性が1.6倍高くなるというデータがある。企業の生産性を高めることを支援したい」(森ビル・森浩生取締役副社長執行役員)
 
 「コンソーシアムの基本姿勢は、プロタイプを作り、実証実験を繰り返し、それを公開しながら、オープンコラボレーションで進めていくこと。その点に賛同した」(リクルートホールディングスの野口孝広執行役員)
 
 
文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

最終更新:8/2(水) 7:00
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