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復活期すミュラーが明かす新シーズンにおけるバイエルンの変化と新たな役割/独占インタビュー

8/2(水) 12:23配信

GOAL

バイエルン・ミュンヘンは昨シーズン、ブンデスリーガのタイトルのみという結果に終わり、期待外れとも呼べる時間を過ごした。その中でもトーマス・ミュラーはゴールから見放され、新シーズンに向けての意気込みはひときわ強いと言える。シャビ・アロンソやフィリップ・ラームという中心選手たちが去り、ミュラーの役割も変化していくことが予想されるが、9月に28歳になる神出鬼没の男は何を思い、シーズンに臨むのだろうか。

Goal(以下――) 昨シーズン限りでシャビ(・アロンソ)と(フィリップ)ラームが引退しました。どのような影響がありますか?

毎シーズン少なからず変化があるのが当たり前だけど、今年はフィリップとシャビという2人の偉大な選手を失った。もちろん影響はあるだろう。若い選手たちにとっては新たなチャンスでもあり、チームにとっては大きな試練となるだろうね。

――アンチェロッティ監督は、あなたがキャプテンに次ぐような存在だと話していました。

そうだね、僕自身チームのなかでそういう役割を担う必要があると思っているよ。チームをまとめられないとね。でも最終的な決断はクラブや監督が下すこと。だから、それに従うだけだけど、どんな立場であれチームを助けたいと思うよ。

――昨シーズン、あなたは多くのアシストを記録しましたが、ゴール数はここ数シーズンに比べると少なくなりました。その理由は、ポジション、あるいは戦術にあるのでしょうか?

おそらくカルロ・アンチェロッティという新しい監督のことを知り、新しいシステムを習得するのに少し時間がかかったせいかもしれない。でも、1月以降のシーズン後半戦はとても良くなったと思う。だから、今シーズンはより良くなるだろうとポジティブに見ているよ。

――あなたはフォワード、あるいは中盤の選手、どちらですか?

それは僕には大した問題じゃないよ。僕はただチームを助けたい。でも、期待はとても高いと思う。その期待に応えるためにゴールを取らないといけない。そうすることでみんなを満足させることができるんだろう。

――昨シーズンのチャンピオンズリーグはいかがでしたか?

僕たちはいつもチャンピオンズリーグで優勝することを目指している。僕たちは、クオリティの高い選手が揃い、チームスピリットも備わった良いチームだ。それでも、チャンピオンズリーグで優勝するのはとても難しい。然るべき時に、少しの運も必要となる。とにかくまた今シーズンも優勝を目指して戦うよ。とても楽しみだし、上手くいくと思っているよ。

――クローゼの持つワールドカップでの最多得点記録に関してはどう思っていますか?

もしかしたらクローゼは、僕が彼の記録を超える事が出来ると思ってるんじゃないかな? ロシアでどうなるか次第だよね。もちろん僕の性格的にはその記録を超えるためにチャレンジしたいと思う。どうなるか僕自身楽しみにしているよ。

――2010年のワールドカップの時、あなたの母親は、あなたはスター選手なんかではなく、ただの子供だ、と言っていました。それから何年も経って、あなたは世界でも有数の選手になりました。あなたのお母さんにとってあなたはいまもまだスター選手ではなくただの子供、なのでしょうか?

母にとっては、僕は彼女の子供だ。それはいまでもね! でもサッカーの世界では僕はより優れた選手になったのは間違いない。

――ハメス(・ロドリゲス)と(コランタン)トリッソの加入は、大きなプラスになったと考えますか? それともチームに競争が生まれたという考えのほうが強いですか?

どちらとも言えるよ。2人ともとても良い選手だと思う。人間的にも良い奴らだしね。先週一緒に過ごしてお互いのことを良く知ることが出来たし、一緒にふざけたことをしたりもした。チームにとっては、彼らはとても重要な存在だし、とてもクオリティの高い選手達だ。ここまでのトレーニングでもそれをよく示しているよ。もっと一緒にプレーする時間が増えて、ポジション争いはその後からだね。

――ウリ・ヘーネス会長は、「シーズンでひとつしかタイトルが取れないのは十分ではない」と言っていました。しかし、バイエルンは大きな変革期にある中で今シーズン、ブンデスリーガ優勝しかできなかったとしても満足だとも言っていました。選手としては、ブンデスリーガ優勝だけでも満足できるものですか?

先のことについて語るべきではないし、そもそもタイトル獲得にはとても多くのことが関わるわけだから、9カ月も先のことがどうなっているかなんて語ることはできないな。どうなるかは4月、5月のまわりの状況やチーム事情次第だよ。バイエルンはすべての大会で優勝を目指している。だから先のひとつのタイトルにこだわるというよりも、すべての試合、すべてのトレーニング、そしてすべての大会でベストを尽くし、ベストの結果を残すことだけだね。

――ドルトムントは昨シーズンよりも強くなると思いますか?

もちろん、そうだろうね、ボルシア・ドルトムントはとても強くなるだろう。今シーズン、彼らは昨シーズンとほとんど変わらないメンバーでかつ、全員1つ年齢をかさねている。同じメンバーで、多くの大会、多く試合をこなすことで、メンバー間の相互理解が深まっていることだろうね。昨シーズン、ドルトムントには大きな変化があった。マッツ(・フンメルス)はバイエルンに来たし、イルカイ・ギュンドアンはマンチェスター・シティへ移籍した。だから、今シーズンはより難しいチームとなるだろうね。興味深いことに大きな驚きだ。

――もしザルツブルクがチャンピオンズリーグのプレーオフを勝ち抜き、本戦出場を決めれば、チャンピオンズリーグにレッドブルのチームが2つ出場することになる。多くのサッカーファンはそのことについて失望しているようだけれども、あなたはこの件についてどう思いますか?

僕にとっては、チームのバックグランドがなんなのかというのは大した問題ではないよ。純粋にサッカーの面でザルツブルクが優れていたからオーストリアのリーグで優勝し、そしてチャンピオンズリーグでもプレーオフを勝ち抜ければなんの問題もないと思う。僕が思うに、クラブの経済力やその他のことはあまり関係なく、結局重要なのはピッチの上での実力なんじゃないかな。

――レアル・マドリーは史上初めてチャンピオンズリーグを連覇しました。マドリーはここ4年で3度チャンピオンズリーグを制しています。彼らはこの4年間で大きく発展を遂げていると思いますか?

チャンピオンズリーグでの2連覇、そして4年で3回も優勝しているというのは本当に素晴らしいことだ。チャンピオンズリーグで毎年のように良い成績を収めるというのはとても難しいことだからね。それを彼らは4年で3回もやってしまうのだから。でも今シーズンは僕らが彼らの勢いを止めたいと思っているよ。

■中国について

――中国の人々はあなたのことを“アーワ”、幸せな人、と呼んでいます。あなたの幸せな生活の秘訣はなんですか?

僕たちはプロサッカー選手として大きなプレッシャーを受ける中で良いプレーをしなければならない。そのためには、緊張感や集中力を保つことと、少しの楽しみやプレッシャーを緩める時間を持つことをバランス良く行うことが必要だ。それが僕の秘訣かもしれないね。

――かつてバイエルンではチームメイトであり、代表チームでも一緒にプレーをしたマリオ・ゲッツェが戦列に復帰しました。彼は今シーズン、ベストの状態まで戻れると思いますか?

そうなることを願っているよ。でもバイエルン・ミュンヘンの一員としては、リーグ戦で僕らを苦しめるようなところまでは来て欲しくないかな。個人的には、彼には前のように戻って欲しいと思っている。それにはチーム内の多くのことが関係してくるだろうし、僕はボルシア・ドルトムントの選手ではないからその辺りはよくわからない。彼のことは良く知っているけどね。とにかく彼の幸運を祈っているよ。

――中国のクラブが多額な金をかけて選手獲得をしています。もはやトップクラスの選手がヨーロッパでプレーしたいという状況でもなくなってきています。多くのトップクラスの選手が中国などに移籍しています。選手として、あなたはどうお考えですか?

選手としては難しいところだね。なぜなら僕らはまずサッカーをプレーするのが僕らの仕事だからね。僕らはサッカーで金を稼いでいる。でもトップレベルの戦いはヨーロッパで繰り広げられているということも考えなければならない。その点を踏まえて決断しないといけないだろう。しかし、トップクラスの選手で高いレベルのリーグを勝ち取りたいと思っているような選手はヨーロッパに残り、ピークは過ぎたけれどもまだ良い状態にあるような選手はヨーロッパ以外の場所でいろいろな経験をするというのも面白いかもしれない。確かに、とてもクレイジーな状況にはなっているけれども、選手としてはこの状況にもしっかりと対処していかなくてはいけないと思うよ。

■手強い相手は?

――あなたにとって最も手強いディフェンダーを3人あげてください。

マルク・ファン・ボメルの引退試合でヤープ・スタムと一緒になったんだ。フレンドリーマッチだったけれど、彼とは同じチームでよかったと思ったよ。それから、レアル・マドリーがチャンピオンズリーグで連覇していることを考えると、セルヒオ・ラモスは最高のディフェンダーの一人だろうね。でも、マッツ・フンメルス、ハビ・マルティネス、ジェローム・ボアテングの3人も練習で対戦するときには常にタフなディフェンダーだよ。

インタビュー・文=ラウール・バリ/Rahul Bali

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最終更新:8/2(水) 12:23
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