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ソニー1Qで過去最高の営業益、ただ経営陣は危機感強める

8/2(水) 9:10配信

MONOist

 ソニーは2017年8月1日、2018年3月期(2017年度)第1四半期の決算を発表した。第1四半期の業績は、売上高は前年同期比15.2%増の1兆8581億円、営業利益は同2.8倍となる1576億円、税引き前利益は同2.6倍の1489億円、四半期純利益は同3.8倍の809億円と好調な結果を示した。

【ソニーの2017年度通期の業績見通しなどの画像】

 ソニー 代表執行役副社長 兼 CFO 吉田憲一郎氏は「第1四半期の営業利益としては10年ぶりに過去最高を更新した。ただ、これには為替の好影響の他、カメラモジュール製造子会社の持ち分譲渡益、熊本地震関連の保険金受け取りなど一時的な要因がある。これらの影響を除いた営業利益は1208億円で、過去2番目の数値だ」と第1四半期の業績について述べた。

 セグメント別では、熊本地震の影響を受け、停滞していたイメージング・プロダクツ&ソリューション分野と半導体分野が大きく業績を改善。ゲーム&ネットワークサービス分野は前年同期比で大きく悪化したが、前年同期が大型タイトルにより想定以上に伸びた反動が要因で、今後も着実に利益を伸ばせる状況だという。また、市場変動の激しいモバイル・コミュニケーション分野やホームエンタテインメント&サウンド分野なども営業利益は微増となっている。

 なお、セグメントについては、第1四半期からは、電池事業の村田製作所への譲渡が2017年9月1日に決まったことから、同事業を含むコンポーネント分野を廃止している※)。

※)関連記事:ソニーが村田製作所に電池事業を売却――一般消費者向け製品は維持

●スマートフォンの高付加価値化で半導体が好調持続

 特に半導体分野については好調を持続。中心として伸びているのがCMOSイメージセンサーだ。ソニーのCMOSイメージセンサーの売上高の約8割はスマートフォン向けだが「スマートフォンの市場が今後も数量的に伸びるとは考えていない。しかし、スマートフォンそのものが社会インフラの1つになってきており、カメラ機能は最も使われる機能の1つとなっている。そのためフロントカメラの高機能化やデュアル化、センシング機能の付加など、数や機能を高める傾向が出ている。これらが好調の要因となっている」と吉田氏は述べる。

 一方、それ以外の領域についても順調に開拓を進めており「監視カメラやドローン(無人航空機)で使われるCMOSイメージセンサーが明確に伸びている。加えて、ここ最近で伸びが著しいのがFA(ファクトリーオートメーション)領域で使われるカメラ用途だ。これらの領域が大きく成長している。車載向けは、センシング領域での用途開拓が進んでおり、2019~2020年以降に伸びてくる見込みだ」(吉田氏)。

 これらの好調を受け、半導体分野およびイメージング・プロダクツ&ソリューション分野は2017年度通期業績を上方修正している。

●危機感強める経営陣

 好調な第1四半期だったものの、吉田氏はこの結果に対し、逆に「危機感を強めている」と述べる。「前回第1四半期の最高益を達成した10年前、さらにその前に好調だった20年前の状況を振り返ると、いずれも翌年以降、業績を大きく崩し経営不振に陥っている。こうした状況は避けなければならない。経営陣としては危機感を失うことが最もだめだ。緊張感を持って、慎重な姿勢を崩さず第2四半期以降に取り組みたい」と強調した。実際に上方修正した営業利益分は、ビジネスリスクに対応する引当金を積み増し、業績には反映させない方針を取っており、慎重さを維持している。

最終更新:8/2(水) 9:10
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