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まるでWeb会議用の電話ボックス!? テレワーク難民を救う“究極の個室”とは

8/2(水) 15:48配信

ITmedia エンタープライズ

 2017年8月1日、「働き方改革」の推進と新たなICT社会のインフラ構築を目指し、プラチナ構想ネットワークや日本テレワーク協会が参画した「テレキューブコンソーシアム」が旗揚げをした。同コンソーシアムが目指す働き方改革と、第1弾製品として投入するコミュニケーションブース「テレキューブ」とはどのようなものなのだろうか。

【ボックス内にはPCも埋め込まれている】

 まずは19の企業でのスタートとなった同コンソーシアムだが、ブイキューブ 代表取締役社長 間下直晃氏が設立の背景を説明した。「テレワークの導入率はアメリカが85%、イギリスが38.2%であるのに対し、日本企業は11.5%にとどまる。7月24日に官民一体となってテレワーク・デイが実施されたり、政府が『2020年までに2012年度比で3倍に増やす』という目標を掲げたりしているが、働く現場ではさまざまな問題が生じており、個別の企業で解決するのが難しい課題も見られる」(間下氏)

 その最たるものが、「社内コミュニケーションをどうするか」という課題だ。間下氏は「働いている以上、コミュニケーションをどうするかがテレワークでの課題に挙げられる。情報共有や分業、意志決定への反映などをどうするかというのはもちろん、在宅勤務中に仕事専用の場所がなくてWeb会議がやりにくく、会社でも自分の席でWebカメラを設置して打ち合わせも周囲に迷惑がかかる。かといって、会議室でWeb会議をやろうにも会議室の空きがなくて足りない状態だ。営業などのモバイルワーカーも、喫茶店から会議に参加するわけにもいかず、サテライトオフィスやコワーキングスペースも増えたが会議室の費用が高い。思った以上に、世の中は“テレワーク難民”だらけだ」と指摘する。

●テレワーク難民を救う「テレキューブ」

 テレワークを広げる中で、話すコミュニケーションの場が不足しているという課題の解決を目指したのが、コミュニケーションブース「テレキューブ」だ。テレキューブは、ブイキューブとレノボ・ジャパン(以下、レノボ)などが共同で開発したもので、Web会議のシステムと防音性に配慮したスペースを確保したボックスで、外見は大きめの公衆電話ボックス、あるいはヤマハの防音ルーム「アビテックス マイルーム」などが想起される。

 テレキューブの大きさは、1.1(幅)×2.2(高さ)×1.1(奥行き)メートル、重量は約296キロもあるが、家具と同じように移動や設置が行える。中にはレノボ製の小型PC「ThinkCentre M710q Tiny」や液晶ディスプレイ、Webカメラの他、電源コンセントやUSB給電ポート、換気ファン、椅子と固定テーブルが用意されている。

 標準でテレビ会議サービス「V-CUBE ミーティング」と「Skype for Business」が導入され、H.323やSIPに準拠したテレビ会議システム手の接続機能が提供済みだ。「社内でも、静かでセキュアなプライベート空間を確保できるし、外部とのコミュニケーションも会議室を占有することなく利用できる。企業内のオフィススペースやサテライトオフィス、商業施設、空港や駅などの公共施設への設置も考えている」(間下氏)

 テレキューブは、第1弾の企業向け設置モデルの出荷が10月予定(販売は8月1日から)で、第2弾の一般向けモデルが2018年上半期の投入(販売は2017年内予定)を見込んでいる。特に後者では、冷暖房の空調設備や防じん/防水機能の付与、施錠など入退室管理や電子マネーによる課金システム、監視カメラといった機能を追加する考えだ。

 価格は企業向け設置モデルが5万9800円(月額)、一般向けモデルは企業などが買い上げて設置し、時間利用などで課金することをイメージしているという。

 間下氏は「コミュニケーションブースやワークスペースだけにとどまらず、将来的にさまざまなコンテンツやサービス提供を想定している。遠隔医療や金融、保険サービスなどを提供する、インフラとして広げていきたい」と構想を語った。

●2020年までに累計5000台のテレキューブを普及させる

 テレキューブコンソーシアムの設立方針は、日本でのテレワークを定着させ、「ICTやインフラ、サービスなどの各分野で『働き方改革』を推進する企業のノウハウやサービス、アカデミックからの英知を集結させ、働き方改革を実現させる環境の整備を目指す」というもの。ブイキューブやレノボ、日本マイクロソフトといったIT企業だけでなく、大日本印刷や森ビル、綜合警備保障、東京電力ホールディングスなどで理事会は構成される。

 事務局はブイキューブ内に設置され、会長にはプラチナ構想ネットワークの会長でもあり、東京大学 第28代総長を務めた小宮山宏氏が就任した。

 活動内容は、テレキューブの普及と、そこで企業の生産性向上に貢献する場に何が必要かを調査/分析すること、働き方改革に関する各種プロジェクトの創出と当該プロジェクトの実施に必要な規制改革などの提言を行い、テレワークを通じて直面する課題を解決することで、働き方改革を実現させるとしている。

 テレキューブコンソーシアムでは、2020年までに累計5000台のテレキューブ販売を目標にしており、「一番広がってほしいのは一般向けモデルで、5000台のうち4000台くらいは町中に広まってほしい。というのも、ブイキューブはテレワークできない人を救うのが最初の役割だが、広まることでニーズが発掘される。まずはベースができたので、プラットフォームの活用についてコンソーシアムで実証実験や試行錯誤をしていきたい」(間下氏)