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FC東京・石川直宏が笑顔で現役引退「モヤモヤが晴れた」 引退理由は左膝の負傷

8/2(水) 21:12配信

デイリースポーツ

 サッカーのJ1・FC東京は2日、元日本代表MF石川直宏が今季限りで現役を引退すると発表。同日に都内の練習場で会見も行った。

 希代のウインガーがスパイクを脱ぐ。引退を決断したのは6月末で、石川は「モヤモヤしていたものが晴れたというか。不思議ですけど。自分の中ではすごい、去年から悩んでいたのが、6月末に迷いなく決断できたところから、何か晴れたじゃないですけど、余計なことは一切考えず、やるしかないという気持ちになったので」。そこに涙はない。晴れやかな表情で会見場に現れた。

 引退の直接的な原因となったのが、左膝の負傷だった。2015年8月2日。ドイツ遠征中の親善試合・Eフランクフルト戦で左膝前十字じん帯を断裂。長い長いリハビリが始まった。受難の日々も前向きにこなしてきた石川だが「自分の体を客観的に見て。これだけケガをすると敏感になって、センサーが人よりも強いと思うが、今までならば、治ると信じて続けてきたが、良くなったときの姿が自分が満足するものかどうかと。自分のプレーを期待してくれる多くの方々がいて、チームの勝利に加えて、みなさんの活力を与えるプレーができるかというと、そこにクエスチョンマークがついた。(コンディションが)100%になったときに、そういう状況であれば、プレーを続けるべきではないかと。そういう判断に至りました」とその理由を説明した。

 努めて明るく振る舞う石川だが、引退を決めることには恐怖心もあったという。「自分の中ではネガティブなもので、ここ2年間くらい、毎晩寝る前に『自分は(引退する日が)いつ来るのかな』という怖さがあった」。だがその一方で「いざ決断をすると、素直に前だけを向けますね」という。引退後のプランについて問われると「実は怖いぐらいまったくなくて。もう自分が思ったところから、決断して伝えたのも一夜だったので。そういえば、そういうことも考えながら伝えるべきだよなと、正直思いましたが、それも自分らしいというか」と苦笑いを浮かべた。

 8月2日に発表をしたのは、負傷したフランクフルト戦に加え、夫人の誕生日ということもあった。「その日に引退会見ってどうだって思ったんですけど、それもまた忘れられない日になるかなと。すべてをひっくるめて良い日に変えたいんで」。ただ、その裏にはFC東京の象徴ともなった男の、悲壮な決意もあった。

 「ぎらついていた選手が、ウチにくるとおとなしくなることもある。それがとても怖いことだと思う。このクラブの持つ雰囲気がそうさせているならば、そこには僕も責任を感じる。もっと言い合うような雰囲気も作れれば」。大型補強にもかかわらず、チームは現在11位。上昇のきっかけとなればという思いもあった。

 ここまでJ1通算289試合に出場し、49得点を記録。「まだ半年あるので、(サッカー人生を)振り返りたくはない」と話す男は、最も印象に残っているゴールシーンを問われると、こう答えた。「次の50ゴール目じゃないですか。300試合も目指していましたけど、ちょっと厳しそうなんで。5分あれば仕事するよっていう体にして、(起用可否の)最後は監督が決めること、そこを認めさせて。昔から変わらないけど、チャンスを自分でつかみとって、奪い取って、勝利につなげる。そういうゴールが自分にとって1番になるんじゃないかなと期待も含めて、次の50ゴールにしたいと思います」。

 最終章には、まだ続きがある。

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