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2度目の北朝鮮ICBM発射に石破氏「20年以上前から問われている問題」

8/2(水) 6:02配信

AbemaTIMES

 北朝鮮による2回目のICBM発射。射程は距離は1万キロに達したとも報じられている。アメリカの北朝鮮研究グループ・38ノースが「北朝鮮が早期に核弾頭を搭載できるようになる」という分析を出しているほか、アメリカのCNNは、「北朝鮮が来年初めまでに信頼性の高い核弾頭を搭載可能なICBMを発射できるようになる」としている。

 FOXテレビが行なった世論調査では、北朝鮮とアメリカの戦争を懸念していると答えた人が68%に上り、NBCテレビなどの調査でも、アメリカの差し迫った脅威として、41%の人が北朝鮮を挙げ、その脅威は今やイスラム国を超えるほどになっている。

 7月31日に放送されたAbemaTV『AbemaPrime』では、北朝鮮のミサイル問題について、石破茂・元防衛大臣に話を聞いた。

 石破氏は「一番長く飛ぶ45度の角度で打ち上げたとき、北米大陸まで届く可能性があるということで、ひょっとしたら東海岸まで届くんじゃないか、これは大変だと騒いでる。しかし、今から20年くらい前の時点で、スカッドミサイルは西日本全体を射程に入れていた。つまり、米軍の岩国基地や佐世保基地も含まれている。本質的には変わっていない。アメリカが自国に対する被害を甘受してまで日本に核の傘を差しかけるのか、というのは、実は20年以上前から問われている話だ」と指摘。

 その上で、「だったら北朝鮮にもっと圧力かけたらいいじゃないかと普通は思うが、なぜなかなか効かないかというと、中国がなんとか支えているから。中国は北朝鮮がブチギレて何か始めたら、中朝同盟によって戦争に付き合わなきゃいけない。難民もなだれ込んでくる。戦争の結果、もし朝鮮半島が統一されアメリカの同盟国になったら、中国は初めてアメリカの同盟国と国境を接することになる。そんなことになったらたまらないから、一生懸命支えてきた。その中国の懸念を払拭するためには、“お前らの責任で解決しろ“と迫るだけではダメで、北がどんなに軍事的脅威を高めたとしても、ミサイル防衛の能力を上げることによって国民の最大限安全を守っていくということを示すべき」とした。

 石破氏によると、ミサイルの精度は向上しており、迎撃できる確率は上がっているのだという。

 「そのために大変な額の税金を使わせていただいてる。構想が始まった当初はミサイルにミサイルなんか当たるわけないじゃないかという議論もあったが、今や相当の確率で当たるようになった。ただ、迎撃ミサイルの数には限りがあるので、それをはるかに上回る数が飛んできたら。撃ち漏らしは当然出る。そういうをケースをいかにして最小限にして、どういう場合であっても『アメリカは核の傘をきちんと日本に対して差しかける』ということを、期待を持つだけじゃなくてきちんと確認する。北朝鮮のミサイル技術向上・核の小型化を指をくわえて見ているわけじゃない、それに屈しないだけの力をこっちも持っていかなきゃいけないと、日本政府として着々とやっている」。

 北朝鮮のミサイル技術向上、核開発を受け、韓国では核保有論も高まりを見せている。日本としては、核抑止力の問題をどう捉えるべきなのだろうか。

 石破氏は「日本国憲法が核保有を禁じているわけではない、というのは政府として何度も国会で答弁している。つまり、政策選択の問題で、憲法の問題ではない。実験はできないものの、核を持つ能力も日本は具備している。だけど、日本が核を持ったとしたら、アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスのNPT体制は即座に崩壊するし、世界中が核を持つ世の中になる。日米原子力協定も即座に破棄されるので、日本は核燃料を輸入することができなくなる。そうするとエネルギー政策はどうなるのか。私は日本が核を持つというのが政策の選択肢としてゼロだとは言わないが、そういう問題にきちんと答えなければならないし、トータルの国益になるかというと、それは全くならないと思う」と指摘。

 続けて「核がない世の中って良い世の中だけど、アメリカとソ連がお互い核ミサイルを何千発も持っていたから実際に戦争にならなかったことも間違いない事実。道徳的とかそうじゃないとか、そういうことはのけておいて、お互いが撃ち合ったら、お互いの国が滅びる、それどころか地球全体が滅んでしまう。その恐怖にすくんでお互いが戦争を始めなかったってことも、冷戦時代の真実だ。核の抑止力っていうのは、お互いが恐怖心を持つことによって、いくさが起こらないようにするということ。それがなくなった時に、本当に戦争がない世の中が起きるかというと、それは別問題」とコメントした。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

最終更新:8/2(水) 6:02
AbemaTIMES