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<特選アーカイブ>イスラム国(IS)の「首都」シリア・ラッカ内部 地下活動家に聞く(2)跋扈する外国人戦闘員(写真6枚)

8/2(水) 6:20配信

アジアプレス・ネットワーク

武装組織イスラム国(IS)が「首都」とするシリアのラッカ。しかし、電気はほとんど供給されず、発電機を使おうにも、市民には燃料を買う お金もない。路上では宗教警察が市民を監視し、空からはアサド軍の空爆に加え、米軍主導の有志連合の空爆で死傷者も出ている。「私たちにとって、ここは地 獄だ」と、メディアグループ「ラッカは静かに虐殺される」の地下活動家、イブラヒム・アルラッカウィ氏は話した。IS支配下のラッカで何が起きていたのか。2015年2月にラッカと電話で直接インタビューした記事を特選アーカイブとして掲載する。【聞き手:玉本英子】(全5回)

【関連写真を見る】ラッカ市内の飲食店。ISは商店に毎月1500シリアポンド(約850円)の税金を課している。

(※2015年初出のアーカイブ記事。情報等は当時のまま)

◆市民生活で他に何が大変ですか?

アルラッカウィ氏:すべてが困難です。たとえば電気です。市内では1日にかろうじて電気がくるのは2時間ほど。電気が止まると水も止まります。市民は発電機を使いたいのですが、給油施設が空爆で破壊されたため、燃料の価格が高騰しています。

電気供給がストップしていることは、あらゆることに影響します。主食のナン(パン)ですが、工場では通常、電気で機械を稼動させナンを製造します。 現在、発電機をまわしていますが、燃料価格の高騰で、ナンの値段も上がっていきます。一食分220シリアポンド(約110円)もします。ISが町を支配す る前の倍以上の値段です。

◆市民はどうやってお金を得ているのですか?

アルラッカウィ氏:公務員は、ISの法の下の新しい統治機構で、多くがアサド政権時代と同じポジションで働いています。そして今もシリア政府から給料を受け取っています。(※アサド政権は、現在もシリア全土を治めているという立場であるため、公務員の給料を払い続けている、とシリア人たちは言う)
ただ、ラッカでは給料をもらえません。公務員は3か月に一度、アサド政権の町(アレッポの政権地区)へ給料を取りに行かなくてはなりません。しかし、それ も今では、難しくなりました。ISが若年層の市民が町の外へ行くことを禁止したからです。アサド政権地区へ行くと殺されると彼らは言いますが、若者たちが 逃げ出すのを恐れているからだと思います。現在、市民の多くは商売、たとえば野菜とか果物とか、何らかの商品を売ったり、交換したりするなどして生計をた てようとしています。そしてISはそこから税金をとろうとするのです。

◆ISの戦闘員はどんな人たちですか?

アルラッカウィ氏:市内には多くの外国人戦闘員がいます。あらゆるところで見かけます。アジ ア人もいます。日本人か中国人か...。彼らの言葉が分からないのでどこの国の人か分かりませんが、(東洋人も)見かけます。ほかにはヨーロッパ、アメリ カ、オーストラリア人など...。彼らは特別待遇を受けているようです。ISは世界中から戦闘員が来ることを奨励しているので、外国人は恵まれた生活をし ています。

◆地元住民の戦闘員はどうなのですか?

アルラッカウィ氏:外国人の方が地位は上です。でも地元の戦闘員もお金をもらっています。地元の戦闘員はやりたい放題しています。

市民が最も嫌っているのがアラブ人(シリア、イラクなどのアラブ諸国出身者)戦闘員なのです。外国人(欧米、アジアなど)の戦闘員は見かけますが、 私たちと関わることがありません。言葉も通じないし、彼らが話しかけてくることもない。壁のようなものがあるのです。ラッカには英語を話せる人もいます が、外国人戦闘員に話しかけることなんてしません。もし話しかけでもしたら外国人戦闘員は「なぜ自分に」と不信がるでしょう。その前に宗教警察が飛んでき て私たちをスパイと思うでしょう。それで逮捕されるかもしれないし、殺されるかもしれない。

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