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阪神を支える“MKD”は“JFK”に「匹敵」 カギ握る桑原の強みとは?

8/2(水) 13:58配信

Full-Count

2005年から台頭したJFKに匹敵するMKDとは…

 日本プロ野球は、各チームが90試合以上を消化し、約50試合を残すところとなった。シーズンが佳境を迎える中、セ・リーグは昨季に引き続き、広島がペナントレース首位を独走。阪神とDeNAが2位争いを繰り広げる一方、4位の巨人もジワリと近づいている。

【表】セパ球団セイバー付き順位表

 阪神は、昨季は64勝76敗3分けと負け越し、4位でクライマックスシリーズ(CS)出場を逃した。だが、今季は8月2日現在、49勝43敗と貯金6で2位につけており、CS出場圏内(3位以内)が定位置となっている。好位置に居続ける主な要因の1つに挙げられるのは、12球団トップクラスを誇る救援陣の存在だ。先発陣の防御率は、今季はここまで3.50で昨季(3.42)とほぼ変わらないが、救援防御率を見ると昨季が3.29だったのに対し、今季は2.85という抜群の数字を記録している。

 阪神OBでメジャーでも活躍した右腕、藪恵壹氏は「今年はかつてのJFKに匹敵するMKD(マクド)がいますからね。7回以降のマウンドに上がるメンバーが決まっていることは大きい」と話す。

 JFKとは、ご存じの通り、2005年に阪神がリーグ優勝を果たした時に君臨した鉄壁の救援トリオ、ジェフ・ウィリアムス(J)、藤川球児(F)、久保田智之(K)のことだ。7回以降は3人が完璧に抑えたため、先発は6回までを投げきればいいと言われていた。2007年には守護神となった藤川がNPB最多タイ記録となる46セーブを記録。2007年、2008年と2年連続でCS進出を果たした。

 MKD(マクド)とは、今季7回以降を任されているマテオ(M)、桑原謙太朗(K)、ドリス(D)の3人だ。腰の張りで戦列を離れていたマテオは1日から復帰。その不在をメンデス(M)が埋めていた。藪氏は「このMKDの中でも、特に桑原が失点しないことが大きいですね」と分析する。

「同じ球種でも少しずつ握りを変えて、いろいろな変化が出るように工夫」

「開幕当初は、ここまでになると考えていなかった人も多いと思いますよ。ここまで失点はわずか4。防御率が1点を切る0.85というのも素晴らしいですが、救援投手、特に7回以降を任される投手はWHIP(1イニングあたりの与四球数+被安打数)で評価した方がいい。桑原の場合、WHIPは0.83だから1回に走者を1人出すか出さないか。圧倒的ですよね。

 今季はここまで4失点。16試合連続無失点、19試合連続無失点という時期があった。これはスゴいですよ。もちろん、たまには打たれて、前の投手が残した走者を返すこともある。それでも同点で踏みとどまって、勝ち越しは許さない。上手く切り抜けて負けをつけなければ、ベンチからの信頼も、先発投手からの信頼も大きくなります。

 リリーフとして1軍に定着したのは今年が初めて。良い場面で使ってもらいながら結果を残して自信を深めている。いい具合に働いていますね。正直なところ、開幕当初は『そのうちつまずく時がくるんじゃないか』と思っていたんですよ。でも、ここまで成績を出したら(笑)。当然ベンチも『やるじゃないか』って評価を上げますよね」

 着実に結果を出しながら評価を高め、藪氏の見方も変えた31歳右腕。改めて、その強みはどこにあるのだろうか。

「彼は真っ直ぐがいい。速い時は155キロくらい出ますから。キレと言うよりスピード。それに加えて、同じ球種でも少しずつ握りを変えて、いろいろな変化が出るように工夫しています。ツーシームの握りでフォーシームのように思いきり投げてみたり、スライダーも少し握りを変えて曲がりの大きさを変えてみたり。特に左打者に通用するのが大きいですね(被打率.164)。

 ここまで42試合に投げて24ホールド。こうなれば60試合で投げて40ホールド以上も期待できるでしょう。ただ、1軍に定着して実質1年目なので、プレッシャーが掛かる後半戦をどう乗り切れるか。感情を表に出すタイプじゃないから、結構芯の強さも持っていると思うんですよ。ここからの踏ん張りに期待したいですね」

 夏の甲子園が開催されるため、阪神はペナントレースが佳境を迎える8月の大半を敵地で過ごす。スケジュールの上でも踏ん張りどころで、MKD(マクド)を支える桑原の存在がさらに大きな意味を持つことになりそうだ。

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

最終更新:8/2(水) 14:11
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