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夏が似合うインストアルバム フォノトーンズ

8/2(水) 11:05配信

カナロコ by 神奈川新聞

 五線譜の中を踊るような鍵盤、疾走感あふれるドラムが心を揺さぶる。浮遊感あるペダルスチールの音は、目の前の風景を夏色に輝かせる。広がる音の景色にベースが輪郭を与えていく-。

 ロックバンド「アジアン・カンフー・ジェネレーション(アジカン)」のドラマー・伊地知潔(39)が友人と結成した4人組インストゥルメンタル(インスト)バンド「フォノトーンズ」が、夏の心地よい風が吹き抜けていくようなアルバム「Mr.Hyde」を完成させた。作品はピアノを中心にしたインストユニット「アダム・アット」とコラボレーションした。

 アダム・アットは同時にフォノトーンズの地元である湘南や鎌倉をイメージして制作した「Dr.Jekyll」もリリース。両者が約2年前に八丈島の温泉で“はだかの付き合い”をした際に意気投合したのが誕生のきっかけだ。

 「Mr.Hyde」は、原曲をフォノトーンズが作り、アダム・アットに渡すと、元曲とは違う彩りをまとって戻ってきた。やりとりを重ね、増していく厚み。伊地知は「瞬発力がありながら、お互いに寄り添った曲になった」と充実感を口にした。

 ライブでは互いの呼吸を探ろうとアイコンタクトを欠かさない。誰かがけん引すれば、そっと引いてベースラインを守る。作ったスペースに、誰が飛び込んでいくか。曲に歌詞がないことで、自由に遊ぶことができるようになった。

 「行間をつくることで、想像してもらう楽しさに気付いた」と鍵盤の飯塚純。伊地知は「全体が見えるようになった。経験をアジカンにも持ち帰ったら、ゴッチ(後藤正文)が『潔は突っ走ることがなくなったな』と褒めてくれた」と笑った。