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人が多く住むところに原発が密集…福島のような「予測不可能事故」を懸念

8/2(水) 7:31配信

ハンギョレ新聞

脱原発論争、これが事実だ 原発の安全性議論

■国内の原発は安全だというのになぜしきりに問題視するのですか?
 「原子力の安全と便益の国民向け説明書」には「1978年、古里1号機が運転された後40年間、25基の原発が一件の事故もなく安全に運営された」という内容が掲載されている。原子力工学科教授を中心に集まった「責任あるエネルギー政策樹立を求める教授一同」(教授団)が6月8日に発表したこの説明書には「現在まで大型原発事故が3回起こったが、韓国の原発と全く異なり、格納建屋もないチェルノブイリ原発で起こった事故を除けば、原発事故の結果放射能被爆による早期死亡者は、福島の事故を含めてなかった」と明らかにしている。

 教授団が言及した「事故」の意味は「原子炉施設の設計基準を超過して原子炉の炉芯が損傷する事故」である、いわゆる「重大事故」だ。韓国の原発の運営を受け持っている韓国水力原子力は、重大事故の経験がない。韓水原は重大事故ではない稼動停止の状況が生じれば、原子力安全委員会に報告しなければならない。一番最近の6月5日、ハンウル5号機の冷却材ポンプ4台のうち、半分の2台が止まり、原子炉保護信号が発生した時もこのシステムが作動した。原発運営能力はこのような状況にどれほどちゃんと対処するかによって異なる。

 それならば、重大事故がなかった韓国でなぜ「安全性」の議論が絶えないのか。最も大きな理由は「重大事故」に対する予測自体が不透明になっているという指摘のためだ。2011年の福島原発事故で「予測不可能な事故」に対する懸念が高まった。福島原発も安全のための設計があったが、地震のために発生した津波を防ぐことができなかった。津波の規模が予測を超えたためだ。韓国政府も福島事故後、国内の原発に「ストレステスト」をかけて地震・津波に備えた設計を強化した。だが、環境運動連合は「新しく建てられる新古里5・6号機の耐震設計を強化して規模6.9を適用しているが、朝鮮半島の地震の最大可能規模の7.5に及ばない」とし、安全性をさらに補強すべきだと主張する。

 さらに大きな懸念は、原発が密集した環境だ。グリーンピースが国際原子力機関(IAEA)の資料をもとに、昨年末基準で全世界で稼働中の原発団地を分析してみた結果、古里1~4号機と新古里1~3号機が集中している釜山・蔚山(ウルサン)の古里原発本部の発電容量が6860メガワットで最も多かった。現在建設中や工事を一時中断した新古里4~6号機まで入れると、発電容量はさらに増える。重大事故が起きた時、住民を保護するため法で定めた「放射線非常計画区域」(原発から半径30キロ)の中に住む人口も、382万人で最多である。古里本部だけでなく、ハンウル原発本部(6216メガワット・5万人)とハンビッ原発本部(6193メガワット・14万人)、月城(ウォルソン)原発本部(4809メガワット・130万人)など、国内の原発団地はすべて全世界で発電容量が高い上位10カ所に含まれた。チェルノブイリと福島事故当時、原発30キロ半径地域が避難区域と宣言されている。

 そのために、類を見ない韓国の原発団地に対する危険性分析を十分に行わなければならないという指摘もある。これに先立ち、新古里5・6号機の建設計画に反対した地域住民と環境団体は「すでに密集度が高い地域に新規原発を建設することは、安全性を十分考慮しない措置だ」と主張した。これに対して韓水原の関係者は「(多数号機に対する安全性分析の場合)原発運営能力が世界最高水準である我々がしていないならば、全世界的にこのような分析能力を持っているところはないだろう」と話した。安全性を確保するためには必ず経なければならない過程だが、どこでも先例を見るのが難しい作業であるということだ。

 韓水原に向けた「国民向け信頼度」も安全性をめぐって議論を呼んでいる。韓水原は2013~2014年、相次ぐ納品不正が明らかになり、前・現職の役員と職員100人あまりが起訴されるなど、事業施行者として信頼を回復できないレベルまで行った。その後、経営革新案など自浄策を打ち出したものの、原発運用の独占事業者として監視・牽制を受けづらい構造は依然としてある。日本の国会調査委員会が福島原発事故の調査報告書で「明白な人災」という結論を盛り込んだように、安全性を担保するには、信頼度の確保が避けられない課題である。

キム・ソンファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )