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没落した「40年の権力」元秘書室長に有罪判決、「大統領の女」元文体部長官は釈放

8/2(水) 7:31配信

ハンギョレ新聞

金淇春元室長に懲役3年の刑 「ブラックリストは知らない」としらを切ったが 裁判部「ブラックリストを頂点で指示」  執行猶予を受けたチョ・ユンソン元長官 「ブラックリストの指示・報告・承認を受けたことはない」 チョン・グァンジュ前次官などの法廷証言を受け入れ

 朴槿恵(パク・クネ)政府の「“王”室長」として強大な権力を駆使した金淇春(キム・ギチュン)元大統領府秘書室長と、「朴槿恵大統領の女」として勢いに乗ったチョ・ユンソン元文化体育観光部長官の運命が、27日の裁判所1審判決で分かれた。文化芸術界の支援排除リストと関連して一緒に拘束され裁判を受けたが、金元秘書室長は懲役3年の実刑を、チョ元長官は無罪を認められ、釈放された。

■金淇春、「40年の権力」から「奈落」に
 「ブラックリストを作ったことはありません」。2016年12月7日に出席した朴槿恵・チェ・スンシル国政壟断の国政調査で「知らぬ存ぜぬ」答弁で一貫し、「法律ドジョウ」と批判を受けた金元室長の態度は、被告人として立った法廷でも同じだった。だが、ソウル中央地裁刑事30部(裁判長ファン・ビョンホン)はこの日、「文化芸術界の支援排除の犯行を最も頂点で指示しながら実行計画を承認し、時には督励したにも関わらず、全く指示したり報告を受けておらず、覚えていないという態度で一貫した」と指摘し、彼に懲役3年を言い渡した。

 裁判部は、金元室長を今回の事案を初めて浮上させた「ブラックリストの出発点」と指摘した。金元室長は2014年1月にシン・ドンチョル国民疎通秘書官などに省庁別補助金支援実態の問題点を点検するタスクフォース(TF)を作るよう指示し、「問題団体の措置の内訳及び管理策」の報告を受けた。同年2月には「2014年上半期、文化芸術振興基金の支援対象者選定の結果、左派団体、左傾向の作家などが含まれている。原因は審議委員会に左傾向の人物が含まれ(ているため)」という国家情報院の文書をモ・チョルミン教育文化首席に渡し、委員の選定排除策の検討を指示したりもした。裁判部が「金元室長が単純な共謀者にとどまるのではなく、犯罪に対する本質的な寄与をした」と判断した根拠だ。国政壟断の国政調査で「ブラックリストを作ったことはない」と虚偽の答弁をした点も有罪と判断された。

 金元室長の指示を受けてブラックリストを忠実に実行した大統領府と文体部の関係者らも、法の審判を免れなかった。キム・ジョンドク元文体部長官(60)は懲役2年、キム・サンリュル元教育文化首席(57)とシン・ドンチョル元国民疎通秘書官(56)、チョン・グァンジュ元文体部第1次官(53)は懲役1年6カ月の実刑を言い渡された。大統領府と文体部のブラックリストの疎通の窓口だったキム・ソヨン元大統領府文体秘書官(51)だけが「捜査の過程から一貫して自分の過ちを深く反省」したことが考慮され、懲役1年6カ月に執行猶予2年を言い渡され、「監獄行き」を免れた。

 裁判部は「保守主義を標榜した大統領を補佐する政務職公務員として、文化芸術界が過度に左偏向しているという認識に従い、短期間に正そうとする意欲が行き過ぎて犯行に至ったものとみられる」と指摘した。

■チョ・ユンソン、ブラックリストは無罪・国会偽証に有罪
 チョ・ユンソン元長官は、今回のブラックリスト事件の被告人7人のうち唯一ブラックリストと関連して「証拠不十分」で無罪を言い渡された。裁判部は「パク・ジュンウ政務首席在任当時、民間団体補助金TFが運営されるなど、政務首席室で文体部の支援金問題などに関して意見を開陳し点検したと疑われる事情が一部認められる」と述べながらも、「チョ元長官が(2014年6月に)政務首席に赴任した後、シン・ドンチョル秘書官がブラックリストを報告したと見ることはできず、チョン・グァンジュ元次官はブラックリストの指示・報告・承認を受けたことがなく、報告したなら支援排除の業務が中断される可能性があったがそれができず悔やまれると供述した」と明らかにした。映画関連の排除は「チョ元長官が政務首席室に着任する前」であり、図書関連の排除も「関与を認める根拠がない」と裁判部は判断した。ただし、チョ元長官は2016年10月の国政監査で「(ブラックリストが)存在していないと報告を受けた」と言ったことが偽証と認められ、懲役1年に執行猶予2年を言い渡された。

 しかし、チョ元長官の無罪判決を批判的に見る人もいる。地方裁判所のある部長判事は「政務首席秘書官などがブラックリストに関連する犯行を犯し、活動内容を報告したことが認められたのに、政務首席のチョ元長官の責任が認められないことは理解できない。特検が関連証拠を補強しなければならないだろう」と話した。

キム・ミンギョン、ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )