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【FRBウオッチ】テーラー・ルールが可視化する金融バブルの拡大

8/2(水) 5:00配信

Bloomberg

金融空間では史上最大規模のバブルがなお膨張を続け、実体経済とかけ離れて浮遊しているようにみえる。米連邦準備制度理事会(FRB)を中心に展開する金融市場では、行き過ぎた緩和政策が過去に何度も大波乱を巻き起こしてきた。特にバーナンキ第14代FRB議長が考案した大規模資産購入(LSAP)とゼロ金利政策をセットにした「異例の緩和」は、未曾有(みぞう)の金融バブルをいまだに膨らませている。

1990年代から今世紀初めにかけて生じたIT株式バブルと、2007年に崩壊が始まる住宅金融バブルはいずれも、連邦公開市場委員会(FOMC)によるフェデラルファンド(FF)金利引き下げで醸成され、その後の引き上げで破裂、景気後退へとつながってきた。今回の景気拡大局面では9年目にしてなお政策金利が極めて低い水準に設定されており、バブルは株式市場はじめ債券、自動車ローン、学資ローンなど広範な領域で先例のない水準まで膨張しているようにみえる。

FOMCは現在、FF金利の誘導目標を1~1.25%のレンジと、なお歴史的な低水準に維持している。債券購入で4兆5000億ドル(約496兆円)に拡大したFRBのバランスシートも、まだ手付かずのままだ。今回の金融緩和度を目視するため、次期FRB議長候補の一人と目されるジョン・テーラー教授(スタンフォード大学)が考案した「テーラー・ルール」に基づく適正な政策金利水準を目安にすると、実際のFF金利水準はこの目安を大幅に下回ってきた上、その期間が異常に長くなっていることが明らかになる。

昨年11月の時点で、FF金利誘導目標上限(0.5%)は、テーラー・ルール値(3.9%)を3.4ポイント下回っていた。この時のテーラー・ルール値に対するFF金利の下方乖離(かいり)は、1970年代以降で最大となった。低い政策金利に量的緩和を加えれば、政策効果は過去最大と言っても過言ではあるまい。

さらに1970年代は金融空間はまだ小さく、金融緩和効果は実体経済を直撃し、ハイパーインフレションが引き起こされたものの、目立った資産バブルは生じていない。しかし、1982年末から始まる景気拡大の中で、米国経済は金融空間の拡張期に入る。ハイパーインフレを強力な金融引き締め策で終息させたボルカー第12代FRB議長は、米経済の基盤を強化したことで後世に名を残した。しかしこれが史上最大のバブル膨張のお膳立てとなったのは皮肉なことだ。

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最終更新:8/2(水) 5:00
Bloomberg