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三位以上の高級貴族邸宅か 平安初期の最大規模の邸宅跡 京都

8/3(木) 18:35配信

産経新聞

 分析機器メーカー「島津製作所」の三条工場(京都市中京区)から9世紀前半の邸宅の一部とみられる巨大な建物跡が4棟分出土し、3日、同市埋蔵文化財研究所が発表した。平安初期の巨大な建物跡が整然と出土するのは極めて珍しい。同工場では過去に、今回とほぼ同規模の建物跡など3棟分を検出。全体として平安京の碁盤の目の1区画(120メートル四方)を占有していたとみられ、同研究所では、位階が「三位」以上の高級貴族の邸宅跡の可能性が高いとしている。

 社屋の建設に伴い、当時の平安京の右京三条三坊五町にあたる工場の一区画約2400平方メートルを調査。一辺が最大1メートルの方形の柱穴跡が東西7間(21メートル)、南北2間(9メートル)で並んで見つかった。平安京内で最大規模の邸宅と考えられ、比較的細い柱の穴が含まれていることから庇(ひさし)がついていたとみられる。

 また、建物の西側に付属するように2間四方の建物跡が出た上、この2つの建物を囲むように溝も出た。溝の外では、南側に庇の付いた建物跡と倉庫跡も見つかり、計4棟が出土した。

 出土した土器などから、いずれも9世紀前半に建てられたと考えられる。だが、現地はもともと居住に適さない低湿地であり、近くを流れる紙屋川の氾濫などもあって、840年ごろには廃絶したとみられる。

 これまで三条工場で行われた発掘調査では、今回の南東からほぼ同規模の建物跡が2棟、東側からは庇付きの建物跡が出土。細い溝で区切られてはいるが、今回を含めた計7棟は同じ邸宅の施設とみられる。

 平安京内は後年も開発が繰り返され、時代ごとの遺構が重なる。このため、平安京への遷都当初の建物跡が整然とした状態で見つかるのは珍しく、これまでに1例しかない。

 龍谷大の國下多美樹教授(日本古代都城史)は「施設がそれぞれ独立して整然と並んでおり、奈良時代の影響を濃く残した邸宅といえる。平安初期の貴族の邸宅がこれほど良好に出土した例は京内にはなく、貴重」と話している。

 現地説明会は5日午前10時から。入場受け付けは島津製作所三条工場の三条通南門で。問い合わせは同研究所((電)075・415・0521)。

最終更新:8/3(木) 18:35
産経新聞