ここから本文です

相対性理論【証明III】テクノロジーを駆使するバンド、共同研究者にすらなれない私たち

8/3(木) 18:30配信

Billboard Japan

 すべての人間は2つに分けられる。「相対性理論の証明」という文を見て、アルベルト・アインシュタインを思い浮かべながら頭を抱える人と、やくしまるえつこを思い浮かべながら頭を抱える人である。

相対性理論【証明III】写真(全22枚)

 相対性理論の自主企画ライブシリーズ【証明】が、2017年6月17日に東京・中野サンプラザホールで閉幕した。毎度3公演で完結する自主企画ライブシリーズ。今回の第1回公演はシリアン・テクノの国際スター、オマール・スレイマンとの2マンライブとして東京で、第2回公演はバンドにとって3年半ぶりとなった大阪で開催。そしてラスト【証明III】は、昨年夏の武道館公演【八角形】以来約1年ぶり、東京でのワンマンライブとなり、やくしまるえつこのオリジナル新装置「YXMR Ghost“Objet”」(ヤクシマル・ゴースト・オブジェ)もお披露目された。

「…………」

 開演時間が近づくと、鈴木慶一(ムーンライダーズ)による名作ゲーム『MOTHER2 ギーグの逆襲』のエンディングテーマで、発表から16年後、2010年にやくしまるえつこの歌唱によって初の公式歌入りバージョンとして発表された「SMILES and TEARS 2010」などが流れ、会場は早くも独特な雰囲気に。そして暗転、SEが流れ始めると、ステージ前に引かれた黒い紗幕にムービーが投影され、メンバーに遅れてやくしまるが登場。蛍光灯に似たお馴染みのオリジナル9次元楽器「dimtakt」(ディムタクト)を両手で低く持ち、赤いベールのような羽織をなびかせながらゆっくりと歩を進めていった。

 さらにやくしまるは今回、この「dimtakt」に加え、オーディオ/ビジュアル・3Dコントローラとして「YXMR Ghost“Objet”」を導入。これはインタラクティブ式楽器「KAGURA」のシステムをベースにオリジナルバージョンへチューンアップしたもので、ジェスチャーや動きで音や映像から照明までをコントロールし、その様子をリアルタイムでムービーとしてスクリーンに映し出すことができる。彼女がステージの中央へ到着し、SEからの流れで披露されたポップなナンバー「ウルトラソーダ」でも全面にムービーが流れ続け、さらには何本ものレーザービームが四方八方に飛び交い、あちこちでクリームソーダの泡を彷彿とさせるエメラルドグリーンの輪が踊る。相対性理論の得意とするテクノロジーと音楽の融合で、瞬時に観客の心を奪ってみせると、そのまま一気に3曲を演奏。やくしまるはくるくると回る後光を受けながらのんびりと水を飲んだ。

1/3ページ

最終更新:8/3(木) 19:41
Billboard Japan