ここから本文です

奄美大島で初 1千トン突破 奄美市笠利町のキビ農家

8/3(木) 13:00配信

南海日日新聞

 「目標だったからね。やっぱりうれしいよ」。鹿児島県奄美市笠利町節田のサトウキビ専作農家、榮完治さん(56)が2016年産キビ生産量1186トンで、奄美大島初の「1千トン農家」になった。富国製糖株式会社奄美事業所によると、同社の原料生産農家の過去最高は14年産の榮さんで980トン。榮さんは自身の記録を塗り替えての大台達成となった。

 節田のキビ農家生まれで元大工。30歳で栽培面積1ヘクタールのキビ農家に転身した。キビ作を離れる農家の畑を借りて面積を増やし、35歳頃に5ヘクタール、40歳頃に10ヘクタールに。01年、仲間3人で作業受託組合をつくりハーベスターを導入。長男力夫さん(35)、三男一樹さん(31)がキビ作に加わり、さらに規模拡大を進めた。

 13年には機械化一貫体系を確立。現在、栽培面積32ヘクタール。16年産収穫面積は20ヘクタール。ハーベスターは09年から計3台となり、受託を含めた16年産総収穫面積は3人で計80ヘクタールに上った。

 榮さんが「1千トン農家を目指す」と宣言したのは力男さんがUターン就農した06年。「おやじと2人の頃は脱葉機1台で250トンが精いっぱいだったよ。病害虫や台風の被害もあったけど、千トンという目標は見据え続けてきた」

 富国製糖の勢幸一常務取締役奄美事業所長は「榮さんは奄美大島のキビ産業を先頭で引っ張っている存在。千トン突破は産地にとって大きなインパクトで、みんなの励みになる」。

 榮さんは奄美を代表するキビ作農家の岩下雅一郎さん(64)=喜界町=を師と仰ぐ。教えを請い始めたのはハーベスター導入前の1999年。以来、行き来を続けている。弟子の大台達成に岩下さんは「千トンは一つの大きな壁。ほっとしたよ。長くかかったけどね」。

 「満足しない、いつも反省ばかり」という岩下さんの16年産生産量は1400トン。対する榮さんは師匠超えの1500トンを新たな目標に据えた。

 榮さんは「土づくりにこだわっていきたい。すぐには効果が出ないかもしれないが、それが息子たちの代の土台になると思う」とも話した。

 1千トン農家誕生は節田集落と町の糖業関係者らに朗報となって広がった。2日夜には節田生活館で祝賀会があり、榮さん一家の快挙をたたえた。

 奄美各島の大型製糖工場とキビ生産対策本部によると、榮さん以外の16年産キビ1千トン農家は喜界島8人、徳之島5人、沖永良部島1人。

奄美の南海日日新聞

最終更新:8/3(木) 13:00
南海日日新聞