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肺がん克服しブックカフェ開店へ 岡山の田中さん「患者に勇気を」

8/3(木) 9:00配信

山陽新聞デジタル

 重い肺がんを闘病の末に克服した田中勇さん(55)=岡山市東区=が7日、同市北区鹿田町の岡山大学病院通り沿いにブックカフェをオープンさせる。今秋には岡山県内初となる肺がんの患者会を設立し、店内を事務局に活用したい考え。自ら調理場に立つといい「患者たちの憩いの場をつくるとともに、働く姿で勇気づけたい」と夢を描く。

 田中さんは会社員だった2010年9月、背中に痛みを感じ、病院での検査の結果、転移や進行が速く、悪性度が高い小細胞肺がんが発覚。半月後、岡山大病院へ転院すると最も重い「ステージ(病期)4」と診断され、5年生存率が5%と聞かされた。

 「諦めない姿勢が大切だと思い、希望は捨てなかった」と田中さん。

 化学療法や放射線治療を半年間続け、経過観察を経た15年秋、主治医からがんの完治を宣言された。一方で放射線治療の影響で別のがんに罹患(りかん)する可能性が高いとも告げられ、「会社のためでなく、自分と同じく苦しむ患者のために生きたい」と決意。16年1月に退職し、開店に向けた準備を進めてきた。

 カフェは広さ約30平方メートル。本に挟むしおりにちなみ「栞日(しおりび)」と名付け、営業時間は午前11時~午後9時とする予定。ランチはビュッフェ形式を取り入れるほか、夜は酒類も提供する。書棚には友人らが持ち寄った医療関係などの約300冊を並べ、古書店の委託販売も行う。

 設立予定の肺がん患者会の代表は自ら務める意向。インターネット上やがん関連の会合で呼び掛けると、既に二十人以上の参加希望が寄せられたという。田中さんは「がん患者には不安や苦しみを吐き出せる場所が必要。私も自らの経験を生かし、できるだけ相談に乗りたい」と話している。

 問い合わせは栞日(086―235―2015)。