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ダイセル、エアバッグ用インフレーター 製品1個ごとに作業者動作・設備データひも付け

8/3(木) 15:30配信

日刊工業新聞電子版

■製品不具合、作業者・材料・設備の問題点特定

 ダイセルは2017年秋にもエアバッグ用インフレーター(ガス発生装置)の生産現場にあらゆる品質情報を一元管理するシステムを導入する。作業者の動きや設備の状態などのデータを製品1個ごとにひも付けし、より多面的に品質を分析する狙い。

 製品が市場に出た後の履歴管理(トレーサビリティー)も強化される。自動車部品の共通化が進み、部品の不具合による無料の回収・修理(リコール)対象車数も増加する中、経営リスクの低減につなげる。

 インフレーター生産拠点の播磨工場(兵庫県たつの市)で生産計画と実績などを管理する製造実行システム(MES)を刷新し、品質管理を強化する。帳票など紙媒体の情報もすべてデジタル化して統合する。

 同工場は日立製作所と共同開発により、カメラで生産ラインを撮影し、作業者の動きが標準動作と違うと、人工知能(AI)が検知する仕組みを16年に導入済み。次の段階として、製品に不具合があれば作業者や材料、設備にどのような変化があったか、製造番号ごとに特定できるようにする。製品の品質をめぐる複雑な要因の分析に役立つほか、万が一リコールが発生した際、対象の品番を細かく特定できる。

 18年度にもこの仕組みを欧米とアジアの七つの工場にも広げる。国内外のデータを統合すれば、設備の不調時の対処などのあまり起こらないために集まりにくいデータも蓄えられる。こうしたデータをAIの学習に使う。異常が発生した時に、現場監督者が適切な行動をとっているか判定するAIなどを実用化する。

 インフレーターは車1台当たりのエアバッグ搭載数が増加し、需要は拡大している。ただ、車種間の部品共通化が進み、部品の不具合1件に対するリコールへの影響が大きくなっている。