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中国の傘シェアリング・スタートアップ、サービス開始数週間でほぼすべての傘(30万本)が消息不明

8/3(木) 21:10配信

ギズモード・ジャパン

トライアル・アンド・エラーですね!

近年の中国スタートアップ文化で盛り上がっているのは「シェアリング・サービス」です。特に自転車シェアリングはこの1年で大きく成長し、参加するスタートアップ企業たちには1000億円以上の企業価値がついています。ソフトバンクが中国の自転車シェアリング・スタートアップ「Ofo」に出資か、なんてニュースも飛び交っております。

【画像】中国の傘シェアリング・スタートアップ、サービス開始数週間でほぼすべての傘(30万本)が消息不明

そんな中国におけるシェアリング・サービスの最近のトレンドはなんと「傘」です。なるほど確かに傘は「必要なときに持ってない」という状況が頻繁にありますからね。Sharing E Umbrellaは傘シェアリング・サービスを提供するスタートアップの一つ。全国11都市に合計30万本のシェア用傘を配置したのですが、なんとサービス開始から数週間で30万本の傘のほぼすべてが消息不明になってしまったそうです。The Paperが報じています(via The Guardian)。

問題の傘は持ち手のところに番号式のロックが備えられており、アプリを通して解除の番号を入力すると傘が使えるようになるというもの。

しかしどうやら利用したあと、ちゃんとスタンドに返却したのかどうかを確認するシステムが設備されていなかったのか、利用者のほとんどが返却せずにそのままキープしてしまっているようです。

自転車のシェアリングが普及していることに感心したCEOのZhao Shupingさんは「通りで見るものはすべてシェアできる」と思い立ったのがきっかけでスタートしたこのサービス。約30万本の傘が消息不明になってしまった今、The Paperの取材に対して「自転車と傘は違った」と語っています。

傘一本あたりのコストは1000円弱であり、会社にとってはかなりの痛手ですが、それでもまだ、今年末までに3000万本の配備を計画しているとのこと。

ちょっと笑えてしまう失敗談ですが、こういったエラーを繰り返すのはスタートアップ文化にとって大事なこと。多くの会社の試行錯誤から次世代の大企業が生まれてくるわけです。

紛失した30万本の傘もアプリで利用コードを購入しないと使えないわけですから、完全に盗まれてしまった、というのとはちょっと違うようです。専用のスタンドでなくとも、フェンスや手すりなどに引っ掛けることもできるようにしたかった、そのためにスタンドへの返却を義務付けなかったという経緯があったようです。治安の良い地域を選んで、どこでもSharing E Umbrellaの傘が置かれているのを見かけたらパッと手にとってアプリでお金を支払って利用できるようにしたかったんですね。なので紛失した傘もおそらく各ユーザーの家庭で眠っている状態だと考えられます。Zhao Shupingさんは「(すでに傘を持っている)家庭におけるSharing E Umbrellaの利用率は低いから、(傘が戻ってこないことを)懸念している」と語っています。まぁ家から出るときに雨が振っていたら、自分の傘を使いますよね......

ユーザーが傘を広げると目の前に広告が広がるというビジネスモデル。ビジネスモデルは広告収入をベースにしたもので、ユーザーが支払うのは300円ちょっとの傘に対する保証金、そして利用時間30分ごとに8円ほどの利用料が課金される仕組みでした。広告スポンサーは順調に集まっているようですから、もしかしたらちょっとした修正で成功へとつながるかもしれませんね。

Image: Baiterek Media/Shutterstock.com
Source: The Paper, The Guardian, South China Morning Post, via Shanghaiist

(塚本 紺)