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車載電池「大競争」時代へ。押し寄せるEV化の波

8/3(木) 14:30配信

ニュースイッチ

NECは撤退検討。変わる自動車メーカーの調達戦略

 自動車産業に世界的な電動化の“大波”が押し寄せている。欧米や中国、インドで電気自動車(EV)の普及につながる施策が打ち出された結果、電動車の早期投入が“最重要課題”になった自動車メーカーが開発を本格化させた。コア部品である電池需要の急増も見込まれ、今後は商品開発だけでなく電池の調達戦略も重要性が増してくる。

 トヨタ自動車は2050年に、ハイブリッド車(HV)などを含めて販売車種のほぼすべてを電動車両にする構想を掲げる。19年をめどに中国でEVを量産する検討も始めた。

 日産自動車は年内に、27万台以上の販売実績を持つEV「リーフ」の新型を日本や欧米で投入する。将来はスポーツ多目的車(SUV)や軽自動車のEV化も進めるなど電動車両の商品拡充を進める。カルロス・ゴーン会長は「電動車両のリーダーの座をさらに強化する」と意気込む。

 ホンダは30年までに販売台数の3分の2をEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車両にする方針。年内に米国でPHVとEV、18年に中国で専用EVを投入する。

 自動車の電動化が急速に進む中、メーカーには今後いかに電池を確保できるかも問われそうだ。このため、電池調達をめぐって新たな動きも出始めている。

 スズキはインドで車載用電池製造に乗り出す。デンソー、東芝と共同でリチウムイオン二次電池(LIB)パックの製造会社を17年内に設立し、20年頃までの生産開始を目指す。電池パックの安定調達体制を構築し、インドで強まる環境規制対応と環境車の普及促進につなげる。

 日産はNECとのEV用電池製造会社の売却を検討。NECも日産という最大顧客を失うため、リチウムイオン電池事業からの撤退することになりそうだ。中国の投資ファンドと売却交渉を進めている。

 日産は電池の開発は今後も自社で担う一方で、製造は外部に切り替えることでコスト低減を進めるもようだ。

<トヨタ「HV・PHV・EV」どう使い分け?>

 車載電池メーカーでも、電動車両の普及拡大を見据えて対応を急ぐ。HV用電池で世界トップのプライムアースEVエナジー(PEVE、静岡県湖西市)は、19年をめどに宮城県大和町にHV用LIBの新工場を稼働するほか、海外でも中国での環境対応車の生産拡大に向けて16年末にHV用電池の一貫生産体制を整えた。

 PEVEはかつてトヨタがリース販売したEVに電池を供給した実績があるが、現在は全量がHV用。同じLIBでも、頻繁に充放電を繰り返すHV用と、蓄電を目的とするPHV、EV用では電池の使用環境が大きく異なる。

 このため、PEVEではトヨタのEV戦略に対応する形でPHVやEV用についても対応を検討する。

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最終更新:8/3(木) 14:30
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