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2018年には11兆円市場にー中国でなぜフードデリバリー革命は起きたのか

8/3(木) 21:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

中国は外食文化である。国家統計局のデータによると、2015年の中国の外食産業の規模は3兆2000億元(約52兆7000億円)に達し、日本(25兆1000億円)の約2倍だ。2018年には約1.5倍の4兆5000億元に達するとの予測もある(「2016年中国外売O2O業発展報告」/ 中国のリサーチ会社iResearch)。背景として考えられるのが、都市部にある企業での労働時間が長くなる傾向にあること、そもそもほとんどの女性がフルタイムで働いているという現実だ。

【画像】北京の街にはこうしたフードデリバリーサービスのバイクがあふれている。

日本では第1子の出産をきっかけに約6割の女性が退職しているが、北京では、企業で働くほとんどの女性が出産休暇を終えるとフルタイムの職場へと戻っていく(「2016中国労働力市場発展報告」によると、中国の女性の労働参加率は64%で、世界平均の50.3%を大きく上回っている)。筆者の友人にも、専業主婦は一人もいない。そのため食事は外食やデリバリーで済ませる家族が多い。

店舗ごとのデリバリーサービスは以前からあった。日本でよく見かけるピザにとどまらず、マクドナルドやケンタッキー、さらに最近日本でも「出前館」として宅配サービスを始めた牛丼チェーン吉野家も中国では早くからデリバリーをしていた。だが、これらはすべてファストフード。中華料理の宅配ニーズは高かったが、自ら配達業務を行うレストランはほとんどなかった。これを「外売(ワイマイ)」が変えた。

「外売」とは、インターネットデリバリーサービスの宅配業者だ。ユーザーがスマートフォン(スマホ)の専用アプリを立ち上げると、GPSで場所を特定し、配達可能なレストランを紹介してくれる。好みの料理などもキーワードで検索でき、配送料や配達目安時間などを基に店や料理を選択。アリペイやウィチャットペイなどで決済すれば完了となる。あとは、配達を待つだけだ。

フードデリバリーの市場規模は一貫して拡大傾向にある。「2016年中国外売O2O業発展報告」(iResearch)によると、2010年にはわずか586億元(約9750億円)だった市場規模は、2015年には2391億元(約3兆9850億円)に達している。それに伴い、外食産業全体に占める割合も、2010年の3.3%から2015年には7.4%へと高まった。同報告によると、2018年には市場規模は6619億元(約11兆円)、外食産業全体に占める割合も14.8%に達すると、さらなる拡大が予測されている。

「2016年中国第三方餐飲外売研究報告」(BigData-Research)によると、フードデリバリーのシェア1位は「餓了○」の34.6%、次いで「美団外売」の33.6%、3位は「百度外売」の18.5%となっており、この3社で86.7%を占める。

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