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星野源が『オールナイトニッポン』で語った“Family Song”MVの解説を掲載!

8/3(木) 12:30配信

rockinon.com

星野源が、先日放送された『星野源のオールナイトニッポン』にて、新曲“Family Song”のミュージックビデオについて語った。

rockinon.comでは番組内で語られた星野のコメントを紹介する。


やばいミュージックビデオができました。
まず僕がお母さんだったり、ドラムのカースケさんがお婆ちゃんだったり、ピアニストの小林創さんが息子だったり、ギターの長岡亮ちゃんが娘だったり、そして友情出演として、スペシャルゲストの高畑充希ちゃんが僕の旦那さん役をやってくださったり、更にスペシャルゲストに藤井隆さんが娘役をやっていただき、あれ?どこかで見たことあるぞというような(笑)
いろんな人から沢山連絡をもらって、「今回のミュージックビデオすごいね!」っていう、自分でも「でしょー!」みたいな(笑)。本当に最高のミュージックビデオが出来たんです。今回の“Family Song”は、なぜこういうミュージックビデオになったのか。単に奇をてらったというわけではなくて、すごく楽曲に要素が紐付いているんですよね。それを今夜はお話させていただきます。
まず、この“Family Song”という曲なんですけど、そもそもアップテンポではなくて、且つバラードでもないんですよね。でも、どうしても日本の音楽業界の中では、ちょっとゆったりしてると、バラードっていう表現で紹介してしまったりするんです。そしてそれを聞いたひとも、「あっ、バラードなんだ、ちゃんと聞かなきゃ。感動しなきゃ。」ってなってしまう。そういうことがあるような気がしてて、もっと音楽っていろんな物差しっていうか、アップテンポとバラードの間には色々な種類の音楽があると個人的には思ってて、テンポにしても早い遅いの中に関しても。なのでこの“Family Song”っていう曲は、聞いてもらうときに「さあどうぞ、泣いてください!」っていう曲では全然ないんですよね。なので、楽しいミュージックビデオにしたかったんです。あと、僕が歌っている姿っていうものの中に、リズムを感じるっていうような体の動きを入れたかったんですよね。見てる人が体が動いてしまうような。この“Family Song”っていう曲は、ビートやリズムにこだわって作ったので、そういうところも目で感じて、見てる時にちょっと楽しくなってしまうような。
その中で色んな楽曲の味わいみたいなものを伝えられたらいいなと思っています。いわゆる感動的なとか、しっとりとしたストーリー性のあるものをやってはいけないのではないのかなと僕は思ったんですよね。

今回まずやりたかったのは、ピンクの色。CDジャケットの背景がピンクなんですけど、ピンク色の中でこういう家族というものが、お母さんだったり、お父さんだったりがいるミュージックビデオにしたいというアイデアがあり、それを今回、監督の関さんにお伝えして、あとディレクションは吉田ユニちゃんでお願いしました。お2人の本当に素晴らしいディレクションのもと、ミュージックビデオ撮影が行われました。なんでそうしたかっていうと、先々週もお話しましたが、この曲っていうのは今までの家族像を歌っているわけではなくて、これからの家族像を歌いたいなっと思って作った曲なんです。例えば両親が医学的な性別では男性同士だったり、その両親のもとに子供がいるっていう家庭だったり、それがどんどん増えていく。それが日本でも増えていくと思うんですね。これからの普通の家族の風景になっていくんじゃないのかなと。いろんな種類の家族の形っていうのがこれから普通になっていくんじゃないのかなと思っていて、それを表すのに、いわゆる(今回のMVって)ミュージシャンも含め演じている家族っていうものの役割っていうのが年齢も性別もぐちゃぐちゃなんですよね。一発でいうと『サザエさん』なんですけどね(笑)。『サザエさん』的な風景の中で性別がぐちゃぐちゃであるっていうものの未来がもしかしたらあるかもしれない。家族ってものがどんどん多様化していく中の曲のコンセプトっていうものをまず映像として示したかったというのがあります。例えば、一緒に暮らしてるペットも家族だし、友達とか仕事仲間っていうのもファミリーっていう言い方するし、だから血がつながっていなくても家族って思っていいんじゃないかとか、相手をほんとに幸せであれと思う気持ちとか、無事であってくれって思う気持ちがあれば家族なのではないのかと。もっと言うと、血がつながっていても家族って思わなくてもいいんじゃないのかなと。その中に愛情というものがあればそれでいいんじゃないのかなっていうことを歌いたいなと思って楽曲を作りました。あんなに、家族的な楽しさがすごく温かい気持ちになる楽しい映像なんですけど、あれもやっぱり全員他人なんですよね。でもそういうの関係なく、多幸感みたいなのが今回のミュージックビデオにはあるじゃないか。そういうのが生まれるんじゃないのかなと思います。“Family Song”は、1960年代末から70年代初頭のソウルミュージックっていうものを現代の日本にJ-POPとして表現したかったんです。というのは、昔の楽曲をモチーフにする=ノスタルジックになってしまうんですけど、あの頃に戻りたい訳ではないんですよね。今の音楽を作りたい、今の家族をテーマにするのであれば、今のこれからの家族をテーマにしたいっていうことで、いわゆる『サザエさん』的な風貌をした皆さんが、俺たちのファミリー感というか、俺たちのソウルってやっぱり『サザエさん』だろうなって思うんですよね。

今回のミュージックビデオで思うのは、ソウルミュージックというものをコンセプトにした時に、例えば、モータウン的な演奏をして、モータウンの方がやっていたようなステージ的なものをそのまま持って来たりとか、服装とかも真似て、例えばVHS3倍速みたいな、3倍で録画したみたいな映像を劣化させるみたいなのをやっちゃうと一番ダメなんですよね。それだと過去しか見てないことになってしまうので。俺、日本で育ってずっと小さいころから家族っていうものは何となく、漠然とあのイメージだったっていう、その『サザエさん』っていうものをモチーフにしてるんだけど、今日本で一番最先端を走っている吉田ユニというアートディレクターがつくる世界の中に、その家族ってものを入れることによって、過去をリスペクトした今というものを出来れば表現したかったというものがあります。あのセットってめちゃくちゃすごいじゃないですか。全部建て込んでますからね、CGは一個もないんですよ。あそこで使ってない家具・食器がめちゃくちゃいっぱいあるんだよね。すごいんですよ、手間が。縁側の土のところに出てくる雑草みたいなのも全部ピンクで、すごいこだわりなんですよ。本当にすごくて感動したんですけど。もっと言うと、僕がさっき言ってた60年代末~70年代頭のソウルミュージックっていうものを今に表現したいって言いましたけど、『サザエさん』のアニメの放映年は1969年なんですよ。どんぴしゃなんですよ。そのテーマソングであるあの“サザエさん”って曲、筒美京平さんが作った曲を改めて聞くと、完全にソウルとモータウンの影響を受けてるんです。同時代性があるんですよね、そこに。
ということは、僕が聞いてたあの《お魚くわえた ドラ猫~》のあの曲って、拍子は日本人的に頭でとってる感じに直してるんですけど、アレンジは確実にモータウンの影響を受けてるんですよ。俺達、日本人がそもそもモータウンの影響を日常として摂取してて、俺達の空間の中にすでにブラックミュージックがあるんだっていうことをすごく思ったんです。それってすごく面白いなっていうか、ということはこのミュージックビデオってすごく奇をてらっていないんですよ。すごく真っ当なつくりをしていて、俺もみたかったし、皆も見たかったんじゃないかなと思う。どこかで見たことがある風景(笑)。そして、今回ドラマの主演でもある高畑充希ちゃんにもう1度出て頂きたい、そしてやはり藤井さんともう1度仕事したいみたいな(笑)。本当に藤井さんこのためだけに来てくれたんです、本当にすばらしい。皆、本当に家族感っていうか、ファミリーだと思ってるところが画面に出てて、いろんなことが全てつながるアイデアがあれだった、そういうミュージックビデオになっております。是非、皆さん本当にすごい楽しく作ったし、ゾクゾクしながら作りました。曲もゾクゾクしながら作ったんですが、ミュージックビデオもゾクゾクしながら作ったし、皆もそういう表情していたんですよね。制作過程で、「これやばいの作っているな」っていう、なのでそういうところも含めて、星野源オフィシャルYouTubeチャンネル“Family Song”是非観て頂きたいなと思います。 


なお、新曲“Family Song”は、ドラマ『過保護のカホコ』主題歌となっており、ミュージックビデオは公開24時間で135万再生を突破。シングルとして8月16日(水)にリリースされる。

rockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

最終更新:8/3(木) 12:30
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