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ファン育成と新規ユーザー開拓の両立を実現した北海道日本ハムファイターズのEC戦略

8/4(金) 10:01配信

ネットショップ担当者フォーラム

興行がメインのプロ野球球団において、ネット通販は関連グッズを販売する主要販路の1つ。収益への貢献のほか、野球に興味を持つ人の裾野拡大という役割も担う。

ただ、興行が中心のため、チケットを頻繁に購入するオフィシャルファンクラブ会員向けにECサイトが設計されている傾向があり、記念品など関連グッズを気軽に購入したい一般購入者、いわゆる“ライトユーザー”をいかにネット通販で開拓していくかが課題となっているようだ。

今回、オフィシャルファンクラブ会員も“ライトユーザー”も商品が購入しやすいECサイトを実現した北海道日本ハムファイターズを取材した。写真◎初瀬士朗(R-4photograph)

 

“ライトユーザー”を開拓するために重要なネット通販

「Sports Community」を企業理念に掲げ、北海道地域の一員として地域社会との共生を図っているプロ野球チーム「北海道日本ハムファイターズ」。

チケット販売、試合運営、場内演出といった興行事業のほか、グッズ販売なども手がける。特にネット通販は、北海道以外の消費者へ商品を届ける大きなコミュニケーション手段として活用されている。

北海道日本ハムファイターズの柳下堅志氏(事業統轄本部コンシューマビジネス部マーチャンダイジンググループ グループ長)はこう言う。

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ネット通販などWebサービスにも力を入れていかなければならないという認識があり、他のスポーツチームに比べても新しい取り組みを実施していると思う。

北海道は面積が広大で、道民であっても球場がある札幌市に足を運べない人も多い。そのため、ネット通販によるグッズ販売はファンとの貴重なコミュニケーション手段となっている。現在のネット通販売上の半分は北海道で、残りは道外。過去に東京に本拠地があった経緯もあり、本州では関東圏が多い。(柳下氏)
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北海道日本ハムファイターズがネット通販に力を入れているのには理由がある。

球団にとって球場でのグッズ物販は収益を伸ばす大きな販路。だが、札幌ドームは札幌市や道内企業が出資する第三セクターである「株式会社札幌ドーム」が運営・管理を担っている。そのため、北海道日本ハムファイターズは、札幌ドーム内で消費者に直接販売することができないジレンマを抱える。

ドーム内でのグッズ販売は、札幌ドームに商品を卸販売する流通形態。加えて、札幌ドームはサッカーJ1の北海道コンサドーレ札幌の本拠地ということもあり、すべての棚を野球グッズで埋めることは難しい。マーチャンダイジング(MD)の側面で一定の制限があるのだ。

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