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深夜、突然のアナウンスに耳を疑った… 相手を取り込むプーチン氏の“先手”

8/4(金) 13:00配信

産経新聞

 「プーチン大統領がこのホテルに参ります」

 深夜、突然のアナウンスに耳を疑った。記者が取材で訪れていた露中部エカテリンブルクのホテル。プーチン氏と会談した森喜朗元首相の宿泊先で、森氏だけが戻ってくるはずだった。

 間もなく車列が到着し、森・プーチン両氏が現れた。ロビーのソファに座り込み談笑。10分以上は話しこんだだろうか。その後プーチン氏は別れを惜しむようにホテルを去った。

 プーチン氏は「森氏の家族にあいさつをしたかった」と理由付けたが、高齢の元首相を送る目的だったことは明らかだった。

 プーチン氏は翌日も意外な行動に出た。午前中、日本企業が出展する展示会の視察が予定されていたが、前日の会談が終わったのは深夜。露政府関係者らも大幅な遅刻を見込んでいたようだったが、ほぼ予定通り会場に到着した。やや眠そうだったが当初計画を大幅に上回る時間をかけて視察を終えた。居合わせた企業関係者は「本当に光栄だ」と感激していた。

 一連の言動は経済支援を惜しまない日本への“リップサービス”ともいえる。「世界で最も影響力がある」と評される人物の振る舞いの価値は大きい。日露交渉が水面下で本格化するなか、相手を取り込むプーチン氏の“先手”を見た気がした。(黒川信雄)

最終更新:8/4(金) 13:00
産経新聞