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タクシー運賃「乗る前に確定」の社会実験開始 その先にある未来とは?

8/4(金) 6:20配信

乗りものニュース

「渋滞で運賃高くなるのでは」という不安をなくす

 国土交通省が東京23区と武蔵野市、三鷹市のタクシー4648台で2017年8月7日(月)から、スマートフォンの配車アプリを使った「タクシーの事前確定運賃に関する社会実験」を始めます。

【画像】社会実験対象の配車アプリ4種

 日本交通グループの「全国タクシー」をはじめ4つの配車アプリにおいて、入力された乗車地・降車地間の情報から地図機能で算出された運賃額を「事前確定運賃」とするもの。確定後は、渋滞が生じても運賃は変わらないといいます。

 実験の背景には何があるのでしょうか。国土交通省自動車局に聞きました。

――今回の社会実験の目的はどのようなことでしょうか?

「渋滞などで運賃が高くなるかもしれない」「到着するまでメーターを気にしなくてはいけない」といった運賃面の不安をなくす、配車アプリの利便性を高める、空車走行を減らして生産性を向上させるといった目的があります。

――羽田空港や成田空港、東京ディズニーランドなど一部の目的地では、東京23区内から定額運賃を設定している会社も見られますが、これが関係しているのでしょうか?

 いえ、既存の定額制が関係しているというより、「タクシーをより活性化していこう」という動きのなかで行うものです。

東京のタクシー、矢継ぎ早の改革 背景には何が?

――2017年1月に東京23区と武蔵野市、三鷹市のタクシーで初乗り運賃が410円に値下げされたことといい、立て続けに改革が行われていますが、背景には何があるのでしょうか?

 2016年に、国とタクシー事業者などからなる「新しいタクシーのあり方検討委員会」で決まった11の改革項目があり、初乗り運賃の値下げや、今回の事前確定運賃もそのひとつです。配車アプリを使ってまずは実験していこうという趣旨のもとで始めます。

――実験後は制度改革にどう生かしていくのでしょうか? 配車アプリを使用しなくても事前に運賃が確定するようになるのでしょうか?

 いえ、規制改革会議のなかで現在とは異なるタクシーメーターをつくるということも話題に上がってはいますが、今回の実験を踏まえて本制度へつなげていくにあたっては、配車アプリや電子地図を使うことが前提になるかと思います。

 今回の実験でも、配車アプリには「実証実験期間中の事前確定運賃の総額とメーター運賃の総額との乖離(かいり)が2パーセント以内であること」などの設計要件を定めていますが、こうしたことを盛り込んだうえで、国が定める制度のなかにアプリなどが関わってくる可能性があります。

――「現在とは異なるタクシーメーター」とは具体的にどういうものでしょうか?

 タクシーメーターは計量法に基づき、タイヤの回転に合わせて距離を測るしくみになっていますが、これを実際の走行によらず、電子地図上の距離計測によって算出するものです。いまやカーナビでも距離を図ることができ、今後、準天頂衛星「みちびき」(編注:「日本版GPS」とも呼ばれる人工衛星。アメリカの衛星に頼っている日本のGPSを補完する)の整備によってGPSのさらなる精度向上も見込まれていることが背景にあります。もちろん、実験の結果を受けて既存のメーターも必要という結論に至ることもあるでしょう。

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