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総合化学6社、4-6月は全社が営業増益 石化市況の堅調続く

8/4(金) 16:17配信

日刊工業新聞電子版

■年末にも米シェール由来、下期は慎重姿勢

 総合化学6社の2017年4―6月期連結決算は全社が営業増益となった。石油化学市況が前期からの堅調を維持し、基盤素材事業が好業績をけん引した。ただ、18年3月期の業績見通しは5社が前回予想を据え置いた。

年末ごろから米シェール由来の安価な誘導品が市場に出回るなど、下期のリスク要因は少なくない。足元の好況に浮かれず、持続的な事業ポートフォリオ改革が市況変動を乗り越える道だ。

 旭化成が3日発表した17年4―6月期連結決算は営業利益が前年同期比26・7%増の378億円と過去最高だった。坂本修一取締役常務執行役員は「順調なスタートを切ることができた」と述べた。

 原動力は石化などのケミカル部門で、営業利益が同53・1%増の225億円と全体を引っ張った。特に繊維・樹脂原料のアクリロニトリル(AN)と低燃費タイヤ用合成ゴムが好調だった。

 石化事業については「第1四半期はスプレッド(利ザヤ)が開きやすい環境だった」(坂本取締役)と特殊要因も加わった。前期末に原料高で値上げしたが、原料価格が想定ほど上昇せず良好なスプレッドを享受できた。

 ただ、各社は下期に対して慎重な姿勢を崩していない。大きな不安要素は米シェール原料のプラント稼働だ。「シェール由来の設備が来年から出てくるため、市況がどこかで弱含むことも頭に入れないといけない」(住友化学・野崎邦夫専務)との見方が大勢だ。

 また、石化以外にも不透明感が漂う。三菱ケミカルホールディングスは「秋以降に(アイフォーンなど)新型スマートフォンの売れ行きがどうなるかは関心事だ」(小酒井健吉副社長)とディスプレー部材の先行きを見極めたい考えだ。