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[記者手帳]イ・ジェヨンをかばうのはサムスンにとって祝福となるのか

8/4(金) 12:28配信

ハンギョレ新聞

 最近、ソウル中央地裁311号法廷を訪れた。これまで滅多に会えなかったサムスンの最高経営陣がそこにみんな座っていた。被告人イ・ジェヨン、パク・サンジン、チェ・ジソン、チャン・チュンギ、ファン・ソンス。事件名は賄賂供与など。被告人席に座ったサムスン電子のイ・ジェヨン副会長が、後ろに控えていた旧未来戦略室のチェ・ジソン室長とチャン・チュンギ社長と一度も目を合わせなかったのは印象的だった。

 「会議を主宰してもイ・ジェヨンは隅に座っていましたか」(弁護人)

 「(イ・ゴンヒ)会長がいらした時はオブザーバーのように端に座り、私が関係社と会議をする時は私のそばに座って私が会議を進めるのを見ていました」(チェ・ジソン)

 「チェ・ジソン室長は、イ・ゴンヒ会長から大きな信任を受けていましたね」(弁護人)

 「はい」(イ・ジェヨン)

 「(イ・ゴンヒ)会長が病を患ってからは代理人と呼ばれるチェ・ジソン室長の影響力がサムスンで最も大きいですか?」(弁護人)

 「はい」(イ・ジェヨン)

 チェ・ジソン前室長は、自分がサムスングループの最高意思決定権者だとしながら、イ・ジェヨン副会長をかばった。グループ系列会社であるサムスン物産と第一毛織の合併も、専門経営人が決定したものであり、チョン・ユラ氏に対する乗馬関連の支援についても、イ副会長は知らなかったと述べた。イ副会長は未来戦略室の解体と全経連脱退の決定も「国会聴聞会の休廷中に(チェ・ジソン室長に)電話でコーチしてもらい、そのように発言することになった」と答えた。何も知らず、指示したこともないなら、責任を免れると考えたのだろう。弁護人の戦略も分からなくはない。イ副会長が拘置所から出るには、贈賄容疑から自由にならなければならず、そのためにも、彼は無知でなければならないのだ。

 ところが、見ている方は戸惑ってしまう。チェ前室長はイ副会長について「元々温室育ちだから」、「資本市場法についてもよく分からないだろう」、「勉強もさせて」など、一般人の予想とはかけ離れた内容を明らかにした。そうであるならば、保守メディアが「トップの経営判断と果敢な投資決定」が必要なのにイ副会長が獄中にいるとして大騒ぎする必要もない。

 その場しのぎとしては、このような戦略が役に立つかも知れないが、イ副会長がサムスンを率いる位置に就いたら誰もが思うだろう。「彼は何を知っているのか」と。

 「イ・ゴンヒ神話」のかなりの部分は(サムスンの成功が)イ・ゴンヒ会長が未来に向けて下した決断の成果だということだった。スーパー純益を生み出す半導体に投資したことや、グローバル企業に向けグループの体質を変えた新経営宣言などが、イ会長に20万人に達するサムスンの役員や従業員を率いる“リーダーシップ”を与えた。一方、イ・ジェヨン副会長はまだ目立った成果を示していない。

 キム・サンジョ公正取引委員長は最近、(裁判の)参考人として出席し、短期的にはイ副会長に苦痛になるかもしれないが、長期的には祝福になるだろうと陳述した。サムスングループ経営の頂点にいながら、イ副会長の拘置所行きに一役買った彼らが進めている“イ・ジェヨン庇護”が、サムスンにとって果たして“祝福”となるのか気になるところだ。

イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:8/4(金) 12:28
ハンギョレ新聞