ここから本文です

「シリコンバレーより南武線」、トヨタがIT技術者狙い撃ち求人広告

8/3(木) 21:00配信

Bloomberg

「狙ったように貼ってあるのは挑戦的」ー。神奈川県川崎市と東京都立川市を結ぶJR南武線の駅にはトヨタ自動車からの熱烈な誘い文句が並ぶ求人広告が掲げられ、ハードウエア開発エンジニアの芦田順也さん(39)は勤務先の最寄り駅で目にした大胆な広告に驚いている。駅のホームからは大手電機メーカーの社屋がすぐ目の前にあり、従業員専用の改札もある。

ーえっ!?あの先端メーカーにお勤めなんですか!それならぜひ弊社にきませんかーシリコンバレーより、南武線エリアのエンジニアが欲しい

7月半ばから南武線沿線の駅に掲示されたトヨタの中途採用広告が人目を引いている。都心からアクセスのいい南武線沿線にはNECや富士通、東芝、キヤノンなど電機メーカーや情報技術(IT)系企業の研究施設が多く、川崎市は「ハイテクライン」とも呼んできた。自動運転やコネクティッド技術などの開発競争が激化する自動車業界には、即戦力の引き抜きに絶好の地域だ。

求人広告は数種類あり、「ネットやスマホの会社のエンジニアと、もっといいクルマをつくりたい」とか、「交通事故死をゼロに近づけるためのコードを書こう」と具体的に呼び掛けるものもある。駅ごとに特定の企業を想起させるように「あの電気機器メーカーにお勤めなんですか!」などと文言を変え、人材確保に賭ける並々ならぬ意気込みが伝わってくる。

今回の広告キャンペーンについて、トヨタ広報担当の土井賀代氏は「沿線の企業からの応募を期待している」という。

IT技術者は争奪戦

転職支援サービスのリクルートキャリアが発表した6月の転職求人倍率は全体で1.87倍だったのに対して、IT系エンジニアは3.83倍と高水準。同社広報担当の原ちひろ氏によると、部品メーカーも含め自動車会社からのIT系エンジニアの求人数は、2014年1月と比べて3倍以上に増えているという。ITによる産業構造の変化に人材育成が追いつかず、結果として限られた人材を奪い合う構図になっている。

1/2ページ

最終更新:8/3(木) 21:00
Bloomberg