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ポラールの最新GPS心拍計付きランニングウォッチ「M430」を試した!

8/5(土) 12:00配信

アスキー

ポラール・エレクトロ・ジャパンが7月27日に発売した、GPSランニングウォッチ「M430」を試した!

6LED光学心拍計を新採用
 ポラール・エレクトロは1977年に指先で計測する心拍計で特許を取得、1982年に世界初のワイヤレス心拍計を発売した、心拍計のパイオニアである。プロアスリートのものだった心拍トレーニングを、より多くの人が気軽におこなうために、ハードウェアとソフトウェアを開発製品化し続けている。筆者が会員のスポーツクラブでも、スピニングのプログラムにポラールの活動量計とグループウェアが使われている。
 
 ポラール・エレクトロ・ジャパンは7月27日に、GPS心拍計付きランニングウォッチ「M430」を発売した。これは中堅ランナー向けの「M400」に6LED光学心拍計を加えたモデルで、スポーツだけでなく24時間7日間使える製品を目指しているという。
 
 M430はリストウォッチとして使えるように時計画面を常時表示、睡眠時も装着できるように通気性の良いストラップを採用し、日常生活防水で51gの軽量設計になっている。一般的に上級モデルになるとカラー液晶やタッチパネルが採用されるが、M430は日常生活でも使うことを重視して、消費電力の少ないモノクロ液晶を採用した。
 
 240mAhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、GPSと心拍計測を併用したトレーニングでは最大8時間の使用可能という。時計モードで活動量計機能を使って20日間の電池寿命がある。スリーププラス機能により、睡眠時間だけでなく睡眠の質を計測、その日の睡眠状態に対するアドバイスを表示する。
 
 ポラールが取り扱うカテゴリーには、活動量計、スマートウォッチ、GPSランニングウォッチがある。M430はランニングウォッチというカテゴリーだが、心拍計の内蔵により、活動量計の機能をプラス。VO2max測定とスリーププラスに対応した。また、スマート通知でFacebookの新規書き込み、LINEのメッセージなどを表示、メールの受信、電話の着信などをバイブレーションで知らせてくれる。
 
プロトライアスリートがM430を使って実地トレーニング
 M430の発売に先立って、ポラールはトライアスロン日本代表として2000年のシドニーオリンピック46位、2004年のアテネオリンピック32位の成績を残したプロトライアスリート西内洋行氏を講師に招いて、少人数での先行体験会を開催。筆者もそれに参加して、トラックを走っての心拍ゾーントレーニング、記録したデータを「Polar Flow」で分析して、ペース管理の方法などを学んできた。
 
 M430の特徴はハードウェアだけでなく、クラウドにデータをアップロードして管理、分析がおこなえるPolar Flowをブラウザーで活用できることだ。スマホ用アプリのPolar Flowもある。初期設定からウォッチの設定、スポーツプロファイルの設定などをM430本体を使わずに、PCやスマホのカラー画面を見ながら快適におこなえる。
 
スマートコーチング機能で、目指せフルマラソン完走
 座学では斉藤陽一郎氏がPolar Flowの「ランニングプログラム」を使って、フルマラソンに挑戦するメニューを自動生成するデモをおこなった。
 
 Polar Flowには、M430が計測したデータを分析しユーザーのトレーニング実績や運動量にあわせた、ランニングプログラムを作成する独自のスマートコーチング機能がある。例えば、出場予定のランニング大会の日程を登録すると、ユーザーに適したランニングプログラムをPolar Flow上で作成し、M430がランニングコーチになるのだ。
 
 最短22週間あれば、フルマラソンを完走するトレーニングを完了できるという。1週間当たりのトレーニング量、平均時間、自己の技量などを踏まえて無理のない計画が作成される。
 
 もちろん、その前にハーフマラソン用のメニューを済ませておくことが望ましいと齋藤氏は語った。提案されたプランはランニングだけでなく、ストレッチ、筋力トレーニングなども含まれ、推奨されるメニューを動画で視聴できタイムもカウントダウンされる。
 
 毎日のトレーニングの結果は、Bluetooth経由により自動的に記録し分析される。これらのグラフを見ながら、翌日のトレーニングへのモチベーションを上げるのだ。
 
VO2maxを計測し「高効率ラン」を実現しよう
 西内洋行氏は学生時代から、心拍トレーニングを取り入れるためにポラールの製品を愛用しているという。いかに低い心拍数を維持しながらレースを完走するかに着目して、独自の高効率動作を提唱。スイム、バイク、ランでエネルギーロスの少ない動きをすることで、自らもレースで成果を出している。
 
 今回の座学では、高効率の基礎をポラールで測定した心拍数データを踏まえて解説した。西内氏は24時間、GPSランニングウォッチを身につけて、活動を記録していないと不安になるという。
 
 充電中はどうするのかという質問に対して「同じモノを2個持っているので、つけ替えてから充電する。そうしているアスリートは多い」と答えた。彼によれば高効率ランを身に付ければ、トライアスロンレース中もほとんど心拍ゾーン3を維持したまま、無理せずタイムを出せるようになるそうだ。後半では骨盤と腸腰筋の使い方、走行姿勢についてを競走馬やランウェイでのモデルの歩き方など、ユニークな動画を交えた講義となった。
 
 彼は高効率動作の指標のひとつとして、VO2max(最大酸素摂取量)を上げている。これは有酸素パワーとも言われ、トレーニングによって増やせる。VO2maxを知ることで、その人に合った運動強度が設定できるため、心拍ゾーントレーニングの精度を高めるのにも有効である。1分間にどれぐらいの酸素を体に取り入れられるかを測定するため、これまでは全力疾走やトレッドミルを使っての12分間走など、かなりハードな運動を伴う測定方法しかなかった。
 
 しかしM430のフィットネステストを使えば、安静時の有酸素運動能力を約5分間測定するだけで、VO2maxが得られる。筆者のテスト結果は35で「良い」との診断、43が「最高」なのだが、西内氏は何と80という驚異的な数値を記録。この数値を元にM430はフルマラソン予測タイムや運動後のリカバリータイムなども教えてくれる。
 
M430+Polar Flowで健康管理はパーフェクト
 M430は、ランニング中にも確実に操作できるようにタッチパネルではなく、5個のボタンを採用している。左上がバックライト、左下が戻る、右の上下がスクロールで、真ん中は実行ボタンと考えればいい。よく使うのは右の真ん中で、トレーニングのスタートとラップタイムの計測。終了は、左下を長押しする。オートストップ機能があるので、信号で止まったり、インターバル中は自動的に停止、再計測してくれる。
 
 スポーツモードは本体またはアプリから、追加、削除、順番の入れ替えができるだけでなく、スポーツごとに表示項目の種類と数、位置までカスタマイズ可能だ。真ん中のボタンは誤作動防止のためか、やや低めだが、押しにくく感じたので逆に高めにして欲しいと思った。
 
 実際に2週間、M430を使ってみた印象を報告しよう。まず、常時表示されているモノクロ液晶は、コントラストが高く明るい屋外でもかなり見やすい。ジムでおこなわれるプログラムでは、集中力を高めるため照明を落とすことがあり、この場合でもバックライトを点灯させれば容易に画面を確認できた。スポーツ計測をしていない場合でも、心拍数を表示し続けられるのも便利だ。
 
 他のメーカーでは、節電のために画面が自動的に消灯する製品もあった。51gの重量は、睡眠時にも気にならず1日中身につけたままでいられる。専用アプリの1日のアクティビティを円グラフで示す画面では、M430の非装着時間が斜線で表示される。これを見ると軽い罪悪感を覚え、キーボードを打っている時も装着しようと思った。スポーツ測定に使うスポーツプロファイルが100以上用意され、個々に測定中の表示をカスタマイズできるのは非常に便利。例えばスピンニングなら、心拍数と最大心拍数の2つだけを画面を2分割して大きく表示するという使い方もできる。
 
 スリーププラスには、熟睡度の判定があり、睡眠時間と目覚めた時間が表示されるだけでは不明だった、よく眠れたかどうかが分かるようになった。全く運動をしていない日も24時間アクティビティ記録により、日常生活の運動強度が5段階で示され、あとどれぐらいの運動が必要なのかも分かる。欲を言えば24時間の心拍数も記録できると良かった。希望としては、スマート通知はスクロールしてコメント全文を表示できるようにして欲しい。
 
Polar Flowでカスタマイズも自由自在
 1日の活動結果はM430でも見られるが、スマホアプリPolar Flowのアクティビティを開けば、1日24時間の運動量が5段階強度で示される円グラフで一目瞭然である。M430側では1日の運動量を満たすためにあとどれぐらい運動が必要かを表示、座りっぱなしの時には低活動アラートがバイブレーションで知らせて運動をうながす機能を搭載する。
 
 このように専用アプリのPolar FlowとWebサービスの完成度は高く、記録したデータを分析、活用、共有できるのも特徴だ。M430は本格的なGPSランニングウォッチに、活動量計と手首型心拍計を加えたオールマイティーなモデルで、定期的にスポーツをしながらライフログも取りたい人に最適だと感じた。
 
製品名M430
動作環境iPhone 4S以降の機種、
Android 4.3以降。スマート通知機能はAndroid 5.0以降
ケースサイズおよそ縦43.5×横38×厚さ12mm
重量51g
ディスプレーハイコントラストハイレゾリューション・モノクロ液晶
タッチパネル非搭載
画面解像度128×128Pixel
CPU非公開
メモリー8MB
ストレージ非公開
心拍計測手首型6LED光学式
GPS低消費電力GPS搭載(高・中・低精度切り替え対応)
バイブレーター搭載
通信Bluetooth Smart
バッテリー240mAhリチウムポリマーバッテリー。GPSと心拍計使用時で8時間、GPS省電力モードで30時間
連続使用が可能
充電時間非公開
防水3気圧防水(装着したまま水泳が可能)
発売ステータス2017年7月27日発売
価格3万2184円
 
文● ゴン川野 編集●ASCII

最終更新:8/18(金) 20:15
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