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運用資金を貯めるなら「保険の見直し」 月3.2万円も必要?

8/5(土) 16:40配信

ZUU online

手数料の低い投資信託を使って世界中の株式に分散して投資することが、ズボラに資産形成をする有効な投資方法だということは書いてきました。このやり方で、庶民に必要な資産形成としての十分な投資ができるはずです。しかし、そこで立ち止まるのではなく、お金を増やすためにできることはまだあります。

ズボラ投資は努力が要りません。だから仕事や家事で忙しい庶民に最適なのですが、これは逆にいうと、「より安く買う」「より高く売る」などしてリターン率を変えられないということです。では、ズボラ投資でもっと稼ぎたくなったとき、我々庶民はどうすればいいのでしょうか?

答えは簡単。投資元本を増やせばいいのです。利回りが同じままだったとしても、元本が2倍あれば最終的に得られるお金は2倍になります。100万円の2倍は200万円ですが、200万円の2倍は400万円です。大きな資産を作り上げるには元本の多さはとっても重要です。

(本記事は、吊ら男 氏の著書『毎月10分のチェックで1000万増やす! 庶民のためのズボラ投資 』ぱる出版(2017/7/15)の中から一部を抜粋・編集しています)

■投資元本を増やすにはどうすればいいのか?

それでは、どうやって投資する元本を増やせばいいのでしょうか?

これも単純で、①収入を増やす、②節約する(支出を減らす)のどちらしかありません。①の収入を増やすというのは仕事を頑張るとか副業をするとかいろいろありますが、それぞれの事情に依存しそうなのでここでは触れません。ここでは②の「節約」に目を向けます。

節約となると「毎日のランチ代を削る」「飲み会を減らす」「洋服の買い替えを減らす」「エアコンを使わずに我慢する」「映画に行く頻度を減らす」のように様々な節約術がありますが、その多くは日々の生活を切り詰めるもので、生活の満足度が下がりがちです。確かにこのような節約術でお金は貯まりますが、あまりやりたくありません。

楽しみな食事やお酒を削ることになれば、食事の楽しみが減ってしまいます。暑い夏や寒い冬でエアコンを使わずに耐えるのはつらいものです。「第三のビールでいいから毎日の晩酌を削らないでほしい…」というのが筆者の個人的な意見です。このような節約法を実践している方もいますが、私はあまりオススメしたくない節約方法です。

人生を豊かにするためのお金なのであって、お金を貯めるために人生を犠牲にしたくありません。日々の生活の満足度を大きく下げてまで節約しているのでは、何のために節約しているのか分かりません。

節約で元本を増やして資産形成するのは賛成ですが、人生を貧しくしない節約にしたい。そこで、日々の生活の満足度が下がりにくい節約法として「保険の見直し」を紹介しましょう。
 
■死亡保険 ここだけ見直す! 月に3万2000円もかける必要ある?

まずは保険の見直しによる節約です。死亡保険・医療保険など、何らかの生命保険に加入している人は多いと思います。しかし、生命保険は加入していないことで、日々の生活の満足度が下がるという人はほとんどいないと思います。何かあったら役に立ちますが、普段の生活の上では、電気やガス代のように「支払ってばかり」という印象が強いのではないでしょうか?

ですから、もし、何かあった時の補償を確保できた上で、日々の支払額を減らせるのであれば、ストレスを感じずに節約できるはずです。「そんなうまい話があるのか」と思われる方もいるでしょうが、日本人の保険の入り方を見ると、そんなうまい話があるのです。

日本人は平均的にかなりの保険料を支払っていると言われています。生命保険文化センターという公益財団法人が平成27年に発表した「生命保険に関する全国実態調査」によると、1世帯あたり平均で1年に38万5千円の生命保険を支払っているとのことです。1ヶ月あたりで見ると3・2万円です。毎月3万円を超える金額というのは一般的な家計にとっては小さくない金額ですが、これほどの保険に加入しておく必要はあるのでしょうか?

■公的遺族年金をまず知ること

まず、生命保険で備えるべきは「稼ぎ頭が亡くなった時の死亡保険」ですが、どれほど加入する必要があるでしょうか?

日本には公的な年金保険制度があります。「年金」というと、高齢者になった時に毎月年金を受け取るというイメージがありますが、これは「老齢年金」という年金の持つ機能の一つに過ぎません。

年金は「老齢年金」だけではなく「遺族年金」という機能もあり、これは被保険者が亡くなった時、残された遺族に対して支払われる年金です。

つまり、家計を担う働き手が亡くなった場合、遺族は公的な年金保険から保険金を受け取れるのです。自営業の方などが加入している国民年金から支給されるのは遺族基礎年金というものです。これは18歳未満の子どもがいる遺族 (もしくは子) に年77万9300円+子の加算分が支払われます。上表に詳細を記載しますが、配偶者が受給するなら、最低100万円はもらえるということです。

また、サラリーマンの場合には厚生年金に加入しているかと思いますが、死亡時には厚生遺族年金があります。厚生年金に加入している被保険者が死亡した場合、正式な計算式は難しいのですが、ざっくりいうと亡くなった被保険者が本来もらえるべきだった厚生老齢年金の報酬比例部分の3/4がもらえます。

遺族基礎年金にしろ、厚生遺族年金にしろ、さすがに遺族年金だけで食べていくのは厳しいですが、生活の基礎を支えるには相当な金額です。これに加え、給与所得者の場合にはその人が亡く
なった場合、遺族に対して何らかの給付金が出る会社もあります。また、住宅ローンを組んでいると団体信用生命保険 (団信) に加入している人も多いでしょう。

団信は、住宅ローンを組んでいる人が死亡した時に住宅ローンの残りはその保険から支払われてチャラになるという保険です。つまり、住宅ローンを組んでいる人が亡くなった時、その家の住
宅ローンはなくなります(これを聞いて、稼ぎ頭の旦那が早く亡くなってくれ……なんて考えてはいけません)。

不慮の事故といったとき、一般的には家庭の稼ぎ頭が亡くなってしまう場合が一番お金がかかるケースですが、このようにいくつもの制度や保険があります。これだけの補償制度を知ったうえで、足りない分だけを生命保険でカバーすればいいのであり、大きな保険に入る必要性は薄いといえそうです。
 
30歳の男性が死亡保険金2000万円の生命保険に65 歳まで加入する。このケースをネット生命保険会社のシミュレーションで試してみたところ、毎月の保険料は5500円程度でした。もっと手厚く3000万円としても8000円ちょっとです。この程度の保険料で死亡に備えることができます。

死亡保険にもし1~2万もかけていたら、絶対に見直してください。見直すときは、店舗型の保険見直し業者だと、金融商品と同様、結局自社の利益になるよう誘導するところがほとんどです。ネット保険を活用するようにしましょう。

■医療保険 ここだけ見直す! 医療保険はすぐストップ

病気による入院や手術に備える医療保険もありますが、医療については死亡時以上に公的制度が充実しています。

民間の医療保険は不要と言い切っても構わないでしょう。まず、何といっても皆が加入している公的な健康保険制度によって自己負担は3割に抑えられています。医療費に10万円かかっても自己負担は3万円で済みます。しかも、日本の医療費は病院が勝手に金額を決めるのではなく、国が診療報酬や薬価を決めているので勝手に高い金額を請求されることはありません。

さらに、あまり知られていませんが「高額療養費制度」という非常に強力な制度があります。これがあるからこそ医療保険に加入する必要はないと言えます。高額療養費制度とは、月に一定以上の医療費がかかった場合、限度額を超えた分は無料もしくは1%の負担だけにするという制度です。

たとえば,一般的な給与所得者が、ある月に半月入院することになっても、自己負担額が8万100円を超えた分についての自己負担額はたったの1%ですから大きな支払い額にはなりません。通常の医療費負担が3割負担 (=30%負担) ということを考えると、1%負担というのはタダみたいなものです

さらに高額療養費制度のスゴさはこれで終わりません。慢性的に病気になりがちな人などは、1ヶ月だけでなく、頻繁に入院したり治療を受けているでしょう。その場合、「また今月も高額療養費を申請してきているのか。大変なんだな。よし、更に自己負担を下げてあげよう」という仕組みになっています。

この手のサービスの場合、「1年間に高額療養費を利用できるのは3回だけ。それ以上はお金もらいすぎだからダメ」となってもよさそうなものですが、高額療養費制度の場合はその逆です。高額療養費制度の利用が、1年間に4回目もしくはそれ以上は「多数該当」と言い、自己負担額がさらに下がります。

これだけ公的な医療保険が充実しているのですから、民間の医療保険に入る必然性はありません。加入してももらえる保険金はたかが知れています。医療保険の多くは「入院1日あたり○円」が基本です。仮に1日あたり1万円の保険金であれば、1週間入院しても7万円です。若いうちに1ヶ月入院することはそうはありませんが、そんな大変な事態になっても1日あたり1万円の保険金なら、もらえる金は合計で30万円に過ぎません。誤解を恐れずに言えば、民間の医療保険は補償内容がしょぼいのです。

みなさん、自分や家族、また友人や会社の同僚などを思い浮かべてください。高齢者は別にして、若いうちに長期入院したり、何度も手術を受けたような人は、どれほどいるでしょうか? 中にはいるでしょうが、そう多くはないはずです。長期入院や高額な手術はそう簡単に起こらないのに、発生してももらえる保険金が少額では、「医療保険で備える必要はない」そう言って構わないでしょう。(ZUU online 編集部)

最終更新:8/5(土) 16:40
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