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【原辰徳氏 観戦記】連日逆転負けに「勝ちに行って勝ち切れ」

8/5(土) 11:03配信

スポーツ報知

◆巨人5―6中日(4日・東京ドーム)

 巨人が延長戦の末、中日に敗れて連敗を喫した。10回、カミネロが無死一、三塁から福田の併殺打の間に勝ち越された。陽岱鋼が2試合連続の初回先頭弾、長野が8年連続2ケタ本塁打、そして9回には代打・橋本到が同点弾と球団史上初の5戦連続3本塁打以上となる4アーチも、勝利には届かなかった。

 序盤にリードしながら連日の逆転負け。5連勝で波に乗ったかと思ったが、まだ、チームに本物の「力」がついていないのだろう。しかも、9回に追いついて守護神で落とせば、ショックはより大きい。ただ、5試合連続2ケタ安打と打線に勢いをつけているのは、陽岱鋼とマギーの1、2番コンビだ。初回は陽が先頭打者弾。7回に一時同点の本塁打を放ったマギーは、得点にはならなかったが9回2死からの四球も見事。チームの低迷期が長かったからこそ、もう少し早く、この並びを決断しても良かったかもしれない。

 本来、1番は出塁率が高く、時には大きな当たりも期待できる打者を据え、2番には確実性があってチーム打撃も得意な選手を置きたいところ。だが、今季は若手も伸び悩み、13連敗も経験した。後がない状況の中、現状を打破するために動いて好転した。決して正常な状態ではないが、上位打線を日替わりにせず、固定できたのは大きい。

 私が指揮していた2007年も開幕前に1番をどうするか悩み、結局、現監督の高橋由伸を置いて成功した。本来なら中軸を任せる打者で、ある意味奇策だった。彼には「1番を意識せず、自分の打撃をしてくれ」と伝えた。マギーも同じで、2番としての働きを期待するのではなく、中軸を打っていた時のような自分の打撃を徹底させるしかない。

 最大11までふくらんだ借金を徐々に減らして、勝率5割が手の届くところまで来た。一時は下位に沈み、ここまで漠然と勝つことを目標にしてきたはず。だがAクラスが狙える位置に来て、ここぞで勝てるかどうかだ。夏場以降、私が意識していたのは、上位チームとの直接対決などで「勝ちにいって勝ち切る」ことだった。

 今の巨人は上位チームはもちろん、下位チームとの対戦はそれ以上に落としてはいけない。3連戦で2勝1敗では当たり前だが、貯金は1つずつしか増えない。3連勝する覚悟をベンチも選手も持つ必要があるし、決定的な場面で点を取れないうちは、チーム力は上がらない。サヨナラのチャンスだった9回2死満塁の村田もそうだし、1点を追う6回1死三塁の中井も、空振り三振ではさみしい。

 今後は各チーム、順位をより意識した戦いに突入する。相手もこれまで以上に勝ちを意識して向かってくるし、巨人も勝ちにいって勝てればチーム力はどんどん上がる。その重圧をどう、はねのけるか。本当の勝負はここからだ。(構成・高田 健介)

最終更新:8/5(土) 11:26
スポーツ報知

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