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スポーツ産業展示会に転がる“新発見” ビジネスチャンスもごろごろ、2011年以降の出展社数は4倍に

8/5(土) 16:56配信

夕刊フジ

 【小林至教授のスポーツ経営学講義】

 先週、東京ビッグサイトで行われた「SPORTEC」という、スポーツ産業の総合展示会に行ってきました。そこで開かれる多数のセミナーのひとつで講師を務めたからでもありますが、貴重な学びの機会だからでもあります。

 展示会というのは、確固たる目的がなくとも、ぐるっと巡るだけでも、なかなかに意義があります。このSPORTECでいえば、2011年以降、出展社が4倍、来場者が2倍に拡大しており、その熱気を肌で感じることで、スポーツが成長産業であることを確認できるでしょう。最新のアイデアや技術、そして業界関係者がひしめく会場内には新たな発見やビジネスチャンスがごろごろと転がっています。

 そういえば、ソフトバンクの孫正義さんの成功の原点も展示会でした。創業間もない頃、手持ち1000万円のうち800万円を使って大阪のエレクトロニクス展示会に出展したことから、大手電機店との取引が始まり、その後アメリカ最大の展示会を買収したことが契機となって、黎明期のYahoo!に出合い、出資することになったという。孫さんのサクセス・ストーリーに欠かせない有名なエピソードですから、興味ある方は、ネット検索してみてください。

 さて、わたしの発見は、孫さんの壮大な成功物語のあとに述べるのは、われながら少々バツが悪いのですが、スポーツにおける“眼”の役割について。

 ふらっと立ち寄った一般社団法人「スポーツビジョン研究会」のブースで、一流スポーツ選手の“目力”について、いろいろと教えてもらえる機会に恵まれました。

 たとえば、高速で動く物体(ボールなど)に対して、瞬時に反応する能力が求められる競技において、一流の選手の動体視力は、そうでない選手よりも優れていることが研究において明らかになっているそうな。

 「超一流選手でも野手は40歳前後で限界」という野球界の定説についての解説も面白かった。

 「動体視力は、少年期に訓練することにより高めることができる一方、プロ野球選手が、そのレベルに到達している動体視力を、大人になってからさらに伸ばす術はいまのところなく、投球に反応することでの維持が精いっぱいであり、加齢とともに必ず衰える。ヒトによって多少、前後するものの、30歳代後半になると衰えはかなり顕著になるでしょう」

 大学を含めた教育機関が夏休みとなるこの時期は、こうした展示会や研究会がそこかしこで行われています。あなたも孫さんになれるかもよ。

 スポーツ産業における一例を挙げますと、9月12日~14日に開催されるスタジアム&アリーナ2017@幕張メッセ。たまたまですが、わたしが、シンポジウムのひとつ「大学スポーツの成長産業化(日本版NCAA構想の推進)について」でモデレーター(進行役)を務めます。

 ■小林至(こばやし・いたる) 1968年1月30日生まれ。東大から1991年ドラフト8位で千葉ロッテに指名され入団。史上3人目の東大卒プロ野球選手となったが、1軍登板なく93年退団。その後、米コロンビア大で経営学修士号取得。02年から江戸川大学助教授。05年から14年までソフトバンク球団取締役を兼任。現在、江戸川大学教授、専門はスポーツ経営学。

最終更新:8/5(土) 16:56
夕刊フジ