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浜風が呼んでいる 定年NHK小野塚アナ、甲子園実況へ

8/5(土) 17:33配信

朝日新聞デジタル

 NHK大阪放送局のシニアアナウンサー、小野塚康之さん(60)は、高校球児に寄り添った熱い語り口が評判だ。「さあさあ、落ち着いて守りましょう」「攻める側はここで一気にいきましょう」

【写真】実況席に座る小野塚さん

 「引いてバランスをとるより、突っ込んだ上で両サイドに立つ。グラウンドに近づきたいんです」

 5月に定年を迎えたが、この夏も阪神甲子園球場の実況席に座る。

 6点差の大逆転となった第80回全国高校野球選手権記念大会の準決勝、横浜(東神奈川)―明徳義塾(高知)や、逆転満塁本塁打で決着した第89回大会決勝、佐賀北―広陵(広島)など、数々の名勝負を担当した。「だけど、今から始まる試合がベストゲームだと思っています」。大会前の公式練習取材は真夏でもネクタイ着用。朝晩のジョギングを欠かさず、滑舌を高めるため呼吸法の研究も続けている。真っすぐな姿勢の先に、少し型破りな実況が生まれているようだ。

 学習院高等科の野球部では「頭でっかちな捕手」だった。「高校野球と接触できる」という思いでNHKに入局。「甲子園は太陽みたいな存在」と語る。

 少年時代は遠いのに近くに思えた。高校時代が一番遠く感じた。「その周りをグルグル回っている。この年齢でも心の中では近づけるはずです」

 五輪の実況も経験したが、「すぐ甲子園に戻ってくるからね」という気持ちだったと笑う。「青い空、入道雲、浜風。球場が近づくと走りたくなってくるでしょ」。その甲子園を「終(つい)のすみか」にと、球場のすぐ近くに暮らす。(編集委員・安藤嘉浩)

朝日新聞社