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最下位ヤクルト 66年ぶり快挙立役者・大松 サヨナラ本塁打の陰でこんな出来事が…

8/5(土) 18:00配信

産経新聞

 セ・リーグで最下位にあえぐヤクルト。記録的な連敗を喫したかと思えば、記録的な大逆転を演じる。まさに一か八かの“勝負師”の印象だが、それを演出する選手にはたまらない魅力が隠れている。

 7月26日、ヤクルトは神宮球場の中日戦で0-10からの大逆転劇を演じた。10点差をひっくり返したのは、史上4チーム目。セ・リーグでは実に66年ぶりの快挙となった。試合に決着を付けた大松尚逸(おおまつ・しょういつ)内野手(35)の代打サヨナラ本塁打は自身今季2度目。こちらも40年ぶり、史上4人目という貴重な一発となった。

 大松は2005年に東海大からロッテへ入団。06年、西武戦でのプロ初本塁打が満塁アーチだった。満塁弾は08年に1シーズン3本を記録するなど、これまで計6本を放ち、かつては満塁男の異名を取った。

 だが、30歳を迎えた前後から打撃不振に悩み、昨季は右アキレス腱を断裂。1軍出場機会のないまま戦力外となったが、救いの手を差し伸べたが、ヤクルトだった。

 今年2月に宮崎県西都市の2軍キャンプで入団テストを行い、合格。大松は1軍のキャンプ、オープン戦には加わらなかったが、真中満監督(46)ら首脳陣は貴重な左の代打要員として開幕から1軍ベンチへ入れた。

 開幕戦前の大松は新天地について「セ・リーグには少し堅苦しいイメージがあったが、ヤクルトは選手がやりやすい環境を考えてくれていて、いい意味でパ・リーグ的。代打は難しいが、終盤のいいところで集中して、一発勝負できるようにしたい」と話していた。

 移籍後初アーチは5月9日、神宮球場の広島戦。引き分け寸前の延長十二回、先頭打者の代打で登場し、右翼席へサヨナラソロ本塁打を運んだが、今回の中日戦を迎えるまでは17打席連続無安打と不振のどん底にあえいでいた。

 そんな大松に前日の25日、故郷・金沢市の父親、三郎さん(66)から「打席に入っているときの顔が自信なさ過ぎるように見えるぞ」と指摘するメールが届いた。大松はこのとき、大きな故障で再起も危ぶまれていた昨年のことを思い出していた。

 三郎さんには「野球をできているというこの現実をしっかりとかみしめて、悔いなく頑張る」と返信。迷いの消えた左打者は翌日に代打で登場すると中日・伊藤の投じた初球、球速147キロの直球を積極的に振り抜いた。今季2号本塁打もサヨナラアーチという最高の結果につながり、「父は喜んでくれていると思う」と笑みがこぼれた。

 大松の8月1日時点の代打での打率は2割を切っているが、真中監督は「いつも終盤で(手ごわい)抑え投手らを相手にする打者なので、打率だけで評価するのはどうか」との考え方。「(代打の)10回に1、2回打ってもらえれば御の字だと思う。今のところ2本の代打サヨナラで十分」とその働きぶりを評価する。

 ヤクルトは7月1日から47年ぶりの14連敗を記録し、最下位に沈む。「たくさんの連敗からチームが一つの方向に向かっていく大事さとか、いろんなことを経験できた。それを今後どう生かしていくか」と大松。「みんなより少し年齢がいっている分、自分のできることはしっかりやっていこうと思っている」とベテランは背中でナインを引っ張っていくつもりだ。(浦)

最終更新:8/5(土) 19:52
産経新聞

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