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ナマコの海中飼育で省力化 石巻4地区対象に県などが事業

2017/8/5(土) 16:12配信

石巻かほく メディア猫の目

 県東部地方振興事務所と県中部地区栽培漁業推進協議会は、手間がかからない方法によるナマコの種苗生産を展開している。同事務所は「生産技術の普及に努め、冬場の漁業者の所得向上につなげたい」と期待している。

 石巻地方の4漁港で4日、体長2ミリほどのナマコが入ったネットを海底に沈める「沖出し」を行った。牡鹿地区にある給分漁港では、県職員や漁業者ら約10人が船に分乗し、漁港内のいけすにネット3袋をくくり付けていった。

 この日、沖出ししたナマコは県水産技術総合センター(石巻市渡波)で採卵した計約1万匹。2センチ程度に育つ秋に外洋へ放流し、3年後には水揚げに適している15センチほどに成長するという。

 今回取り組んでいるナマコの種苗生産は、施設で2センチ程度まで育てていたこれまでの方法とは異なり、飼育が比較的容易になる。施設飼育の期間が45日程度と短くなる上、市販の飼料を毎日与えるだけで水槽の水の交換が不要になるなど手間も軽減される。

 漁業者も取り組みやすい簡易的な飼育方法は、ナマコ生産が盛んな北海道の技術を参考にした。

 県は1986~93年度、ナマコの種苗生産に取り組んでいたことがある。しかし、色や形などから天然と種苗生産したナマコの違いが判別できないため具体的な生産効果が得られず、事業を断念した経緯がある。このため県は「今回の事業を何とか軌道に乗せたい」と意気込んでいる。

 カキ養殖などを手掛けない漁業者にとって、ナマコの種苗生産技術が進めば冬場の貴重な収入源につながる。

 県中部地区栽培漁業推進協議会の木村千之会長(65)は「漁業者自らがナマコの資源を増やす取り組みを進めることで、収益の確保に努めたい」と話している。