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シェアハウスにも猫・犬ブーム ただし、飼育指導やバックアップが大事

8/5(土) 12:04配信

sippo

 若い世代へ急速に広がったシェアハウスにも、ペット人気の波は寄せている。

 シェアハウス企画会社HOUSE-ZOOの代表取締役、田中宗樹さん(44)は、日本シェアハウス協会の副会長でもある。同社のペット可物件は犬・猫専用、混在、女性専用、男女可などさまざまだが、共用スペースには飼い主同伴ならペットを連れ出してよいことになっている。

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 2月から就活のため、東京・国立市のシェアハウスを利用している大学生の石黒麗さん(22)は「実家は猫、ハムスター、インコと動物園みたいににぎやかだったんです。いきなり一人暮らしを始めたら、絶対に寂しいだろうなと思って」。

 実家から連れてきたインコのぽんちゃんに加え、入居後に保護猫を1匹、引き取った。

「知らない人との共同生活は最初は緊張しましたが、暮らしてみると楽しい! 今ではここから通えるところに就職しようと、エリアを絞って考えています」

 同居人は20代女性と40代男性。「急な用事でペットの世話ができなくなったときには、女性同士LINEで部屋の電子キーの番号を知らせて様子を見てもらうことも。一人暮らしじゃ、こうはいきません」

保護活動の一環、「外部シェルター」

 保護猫と暮らす賃貸住宅の先駆けが、日本初の「猫付きマンション」や「猫付きシェアハウス」を手掛けるNPO、東京キャットガーディアン(TCG)だ。

 現在は関東と関西の一部に合計4棟20戸の「猫付きシェアハウス」と80戸の「猫付きマンション対応物件」があるが、代表の山本葉子さん(56)は、「『ペット飼育可物件』とは成り立ちが違う」と話す。

 保護活動をする団体のシェルターは現在、どこも満杯だ。自宅で10匹、20匹も預かっている人もいるという。「この状況をどうにかしようと検討を重ねた結果生まれたのが、猫付き賃貸です。家賃で活動費用を賄いながら入居者には飼育ボランティアの手伝いをしていただく。私たちの間では『外部シェルター』と位置づけています」(山本さん)

 シェアハウスの入居者は保護猫の様子を毎日、本部にメールで報告。異常があればすぐ応じる体制を整えている。「必要ならば獣医も派遣します。傘下に動物病院があるから、低コストで対応できるんです」

 一方、猫付きマンションに保護ネコは“常駐”していない。

「ご自分の猫も飼えますし、ご希望ならば保護猫を預かり飼育することでもできます」

 預かり飼育の猫の食費や医療費は入居者負担。飼ってみてどうしても無理ならば、シェルターに戻すことも可能だ。

「シェアハウスもマンションも最終的には譲渡もできます。猫と暮らしてみたいけれど自信がない、という人の『お試し』にとてもお勧めです」

 山本さんは定期的に、こうした物件の運営に関する勉強会も開催しているが、目的は「安易な考えで乗り出そうとする人に警鐘を鳴らすため」と言い切る。

「賃貸住宅と保護活動をリンクさせる上で、永続的な適正飼育の徹底と、バックアップ体制の確立は不可欠です」

 思い付きで始めて頓挫したら、「個人の趣味で始めた多頭飼育が崩壊するのと同じ」と手厳しい。動物の救済が命題の保護団体として当然の視点だろう。

 ペットとの生活は「許可されるもの」から「快適な共生」へ。この流れが動物保護活動に、新たな展開をもたらしているようだ。

sippo(朝日新聞社)

最終更新:8/5(土) 12:04
sippo