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「ヒロシマ日記」米国でも反響 放影研でスクラップ帳の特別展示

8/5(土) 21:35配信

山陽新聞デジタル

 広島の原爆で被爆した岡山市北区富原出身の医師蜂谷道彦氏(1903~80年)が原爆の惨禍をつづった著書「ヒロシマ日記」について、米国での反響を報じる新聞記事などをまとめたスクラップ帳の特別展示が5日、広島市南区比治山公園の放射線影響研究所で2日間の日程で始まった。一般公開は初めてという。

 蜂谷氏は広島逓信病院(同市中区東白島町)の院長として原爆投下直後から被爆者の治療に当たった。著書は被爆者の症状や院内の様子などを詳細に記しており、55年以降、十数カ国語に翻訳され、原爆がもたらした被害を世界に伝えた。

 スクラップ帳は縦51センチ、横41センチ、厚さ6センチ。約80ページにわたって、英語版の反響を報じる米国の新聞や雑誌の切り抜きなどが貼り付けられている。

 中でも目を引くのは、米国で原爆開発計画を指示したルーズベルト大統領の夫人や、計画に参加したオッペンハイマー博士の書評。夫人は「この本からは恨みや憎しみを驚くほど感じられない。むしろ、あのように恐ろしい状況における人間の精神、その気高さと強さに驚嘆するばかり」とし、博士も「思いやりと悲しみ、そして多大な勇気をありのまま飾ることなく伝えている」と評している。

 会場には実物のスクラップ帳のほかに内容を見ることができるレプリカも展示。広島大原爆放射線医科学研究所付属被ばく資料調査解析部の久保田明子助教による出版の経緯などの解説もあった。広島市立中学1年男子(12)は「原爆の被害を世界中に伝えた日記の功績は大きいと思った」と話した。

 6日の公開は午前9時~午後4時。久保田助教の解説は午前11時と午後3時にある。