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2036年までに世界でパイロット63万人、CA83万人の需要が生まれる

8/5(土) 17:23配信

ニュースイッチ

アジアで急増、人材不足も深刻に

 2036年までの20年間で新たに120万人以上のパイロット、83万人の客室乗務員が必要!米ボーイングの「2017年パイロットと技術者予測」の調査で明らかになった。特にアジアで需要が伸びる。

 職種別では民間機パイロットが63万7000人(前年予測比2万人増)、整備士が64万8000人(3万1000人減)、客室乗務員は83万9000人(2万5000人増)。地域別みると、アジア太平洋地域のパイロット需要は世界全体の40%を占め、昨年より5000人多い25万3000人と予測している。

エアバスやボーイング、対策に乗り出す

 一方でパイロット不足も深刻になりつつある。仏エアバスはアジア・太平洋地域でその不足対策に乗り出している。2016年4月にシンガポールに開設した飛行訓練施設「エアバス・アジア・トレーニング・センター(AATC)」が、17年中にはフル稼働状態になる。航空会社28社と利用契約を結んでおり、パイロットの養成を支援して需要拡大を取り逃がさない戦略だ。

 「航空機が膨大に増えるので、訓練が重要になる。アジア・太平洋地域の需要に対応する」―。ヤン・ラルデAATCゼネラル・マネージャーはAATC開設の狙いを説く。

 同地域は経済成長や格安航空会社(LCC)の台頭で、航空機需要が世界平均を上回るペースで拡大する。

 AATCはエアバスの4番目にして最大の訓練施設だ。シンガポール航空との共同出資で、約1億ドル(約113億円)を投じて開設した。全機種の訓練が可能で、17年には許容人数の年間1万人を受け入れる計画。アジアでは1997年開設の北京に次ぐ施設となる。

 目玉は6基ある疑似操縦設備「フル・フライト・シミュレーター(FFS)」だ。コックピットを再現した室内で操縦かんや機器を操作し、CG画面を見ながら実際の飛行経路を疑似操縦できる。雷など気象条件を設定できるほか、離着陸時に身体にかかる負荷も体感できる。

 FFSは機種別にあり、6基中2基が中型機「A350XWB」用だ。19年までに追加する2基中1基も同機種用で、AATCは同機種の訓練施設の意味合いが強い。施設ゼネラル・マネージャーは「A350XWBのハブとなる施設を目指す」と意気込む。

 同機種に注力するのは、アジア・太平洋地域の需要拡大を取り込む機種だからだ。エアバスは35年には、同地域で運航する航空機が現在の約5700機から約1万4700機に増えると予想する。

 その中心と見込むのが、A350XWBなど双通路型の中・大型機種だ。同地域では米国、欧州行きなど長距離路線が多く、航続可能距離が長い機種が必要になるため。エアバスは35年までに世界で引き渡される双通路型4390機のうち、同地域分が46%を占めると見込む。

 「こつをつかめば操縦しやすい。初めての機種なので期待している」。日本航空のベテラン機長はAATCでA350XWBを疑似操縦した印象を語る。同社は19年から6年ほどかけ、同機種を31機導入する。エアバス機の発注は初めてで、AATCの利用を検討している。

 米ボーイングも07年、シンガポールに自社でアジア最大の訓練施設を開設し、中型機「787」など3機種の訓練を実施している。パイロット不足への対策というサービス面での競争も激化しそうだ。

最終更新:8/5(土) 17:23
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