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広がる「畑」交流 横浜、大学生と地元住民が連携

8/5(土) 11:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

 最新の情報技術を農業に生かそうと研究する東京工業大学(横浜市緑区)の学生が今春から、地元住民に畑を借りて研究成果を収穫アップに結び付けようとしている。仲立ちしたのは地元自治会。収穫祭も予定され、交流は広がりを見せている。

 地域連携プロジェクトと銘打ち、3月に開始した。同大未来産業技術研究所特任教授の石原昇さん(59)は「世の中に役立つ技術開発のアイデアは現場にある。これからは相手が考える一歩先の提案力が必要」という。

 石原さんの研究室ではエレクトロニクス技術の高性能化、高機能化をテーマにする。プロジェクトではスマートフォンやインターネットなどの通信技術やセンサーによる情報収集技術を活用しながら、野菜の成長と温度、湿度、照度、土中水分量などの関係を明らかにするという。

 研究室では3月、長津田辻自治会の協力を得て、大学に隣接する約120平方メートルの土地を農家(68)から借りた。近くの畑でブルーベリーを栽培するこの農家は「データ通りにいかないと思うけれど、農業の可能性は広がる」と期待を寄せる。

 学生約20人とともに畑作りを始め、気温や地温のデータを蓄積。トマト、キュウリなど17品種を作付けし、6月にはジャガイモを収穫した。順調な一方、トウモロコシでは暴風雨などの被害にも遭った。同大博士課程2年の学生(25)は「机上の理論通りにはいかず、作業は思った以上に大変。でも、テクノロジーで農業に携わる人たちの負担を軽くしたい」と意欲を見せる。

 研究室では、最初の研究成果を1、2年程度でまとめるという。7日には恩返しの意味を込めて、自治会メンバーらを校内に招き、収穫した野菜などでバーベキューを開く。石原さんは「実際に収穫という成果や関わる人の笑顔を見ることで、学生の研究の励みにもなる」と話している。