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社説[日報・森友・加計問題]疑惑解明へ臨時国会を

8/5(土) 7:40配信

沖縄タイムス

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽(いんぺい)、国有地が8億円以上も値引きされて払い下げられた森友学園問題、獣医学部新設を事実上1校だけに認めた加計(かけ)学園問題-。

 疑惑の3点セットを積み残したまま安倍改造内閣が4日始動した。安倍晋三首相が自ら真相解明の先頭に立たなければ、国民の信頼を取り戻すことはできない。

 PKO日報問題を巡り、10日に衆院安全保障委員会と参院外交防衛委員会で閉会中審査が行われることが決まったが、野党が求める安倍首相、稲田朋美前防衛相の出席を自民党は拒否している。

 稲田氏は辞任の際の記者会見で国会に呼ばれれば出席する意向を示していた。

 辞任したからといって国民への説明責任がなくなるわけではないのに信じがたい対応である。政権の「隠蔽体質」は変わっていないと言わざるを得ない。疑惑が持たれれば、率先して解明に尽くすのが大臣とその任命権者が取るべき道である。

 日報隠蔽問題は稲田氏が関わっていたかどうかが最大の焦点だったが、特別防衛監察の結果はあいまいな結論しか出さなかった。

 一方で陸自側から保管の事実を伝えられた稲田氏が国会で「明日、何て答えよう」と発言する詳細なメモの存在が明らかになっている。稲田氏は報告を受けたことも、非公表を了承したこともないと国会で全否定しており、食い違っている。真相解明には辞任した防衛省・陸自トップらの出席も不可欠だ。

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 森友学園問題の核心はなぜ国有地が8億円以上も値引きされて売却されたかである。

 近畿財務局と学園前理事長の籠池泰典容疑者側が売却価格を決める前に具体的な金額を出して交渉していた音声データがある。籠池容疑者夫妻、弁護士、設計・施工会社の打ち合わせメモも明らかになっている。国側が低価格で売却することに前向きと受け取られるやりとりである。

 小学校名誉校長を務めていた安倍昭恵首相夫人の影響や官僚の忖度(そんたく)はなかったのか。その解明も必要だ。

 加計学園問題で首相側は「記録がない」「記憶がない」との答弁を繰り返した。疑惑は解消されるどころか膨らむばかりだ。安倍首相の数十年来の友、加計孝太郎氏が理事長を務めており、決定が公正・公平になされたのか。加計氏の証人喚問も欠かせない。

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 三つの問題に共通するのは文書の廃棄、権力私物化の疑い、誠実さに欠ける答弁などである。安倍首相は改造内閣発足後の記者会見で「深く反省し、おわび申し上げる」と頭を下げた。異例の陳謝が本気なのかが問われている。

 共同通信の世論調査で安倍内閣の支持率は44・4%に回復したが、不支持と拮抗(きっこう)している。支持の理由は「ほかに適当な人がいない」、不支持の理由は「首相が信頼できない」がそれぞれ最も多い。信頼回復は簡単ではなさそうだ。

 安倍首相は、野党が憲法に基づきただちに求めている臨時国会を開き、疑惑の解明に当たるべきだ。

最終更新:8/5(土) 7:40
沖縄タイムス