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海や川でおぼれたら? 「着衣泳」のポイント紹介

8/6(日) 15:30配信

神戸新聞NEXT

 海や川に遊びに行く機会が増える中、気を付けたいのが、水の事故だ。危ない場所に近づかないのが第一だが、もしも、おぼれたときは、どうすればいいか。服のまま水に浮いて助けを待つ「着衣泳」のポイントは? 7月中旬、神戸市立本山第三小学校(神戸市東灘区)で、6年生の着衣泳の授業をのぞいた。(広畑千春)

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 水を含んだ服は、水着に比べて重く、体にまとわりつき、動きにくくなる。無理に動くと体力を消耗してしまうため、焦らず、あおむけになって力を抜き、呼吸を確保しながら「浮いて待つ」のが大切という。

 神戸市教育委員会は20年以上前から、教員らが独自に着衣泳の必要性を発信し、学年に応じたカリキュラムを作っている。本山第三小では、「子どもたちに体で覚えてもらうことが大切」と、毎年、夏休み前に授業を実施している。

 この日、指導したのは、水泳を受け持つ藤本健太郎教諭(24)。水着の上に長袖に長ズボンを着て、靴下をはいた子どもたち131人に、まず、指を眼鏡のように両目に当てて周囲を見てもらう。視野が狭まり、暗くなる。突然水に落ちてパニックになったときの心理状況を体験してもらうためだ。

 続いて、足を滑らせた想定でプールに落ち、すぐに上がる動きを繰り返す。次は、水の中を歩き、素早く上がる。これも「慌てて陸地に上がろうとする動きを再現することで、動きにくさや体の疲れを実感できるように」との狙いだ。

 着衣泳は、学年ごとにレベルが上がる。1、2年生は、比較的動きやすい半袖、半ズボン姿で、とにかく服を着たまま水に入る経験をしてもらう。3、4年生になると「浮いて待つ」ことを中心に。5、6年生では、短い距離を泳いだり、より楽に浮けるこつを考えたりしてもらう。

 子どもたちは、服を着たままクロールと平泳ぎで数メートルを泳いだ。藤本教諭は「服を着たままだと、いつものようには動けない。無理に泳ぐのは危険」と指摘する。浮く練習では、上の服に空気を含ませ、裾と首元をぎゅっと持って空気が抜けないようにし、浮具代わりにするこつも紹介。ただ、通気性の良い服は空気が抜けてしまうので注意が必要という。

 おぼれた人を助けようとして、自分もおぼれてしまう事故は後を絶たない。授業では、すぐ大人を呼ぶとともに、ペットボトルやビニール袋を投げて浮具にしてもらう方法も伝授。少し水を入れて重しにし、下手で投げるとコントロールしやすい。受け取った方は、下から両手を袋に入れて空気を入れ、胸のあたりで持つといったポイントも説明した。その上で藤本教諭は「まずは子どもだけで水辺に行かないで」と訴えた。

 男児(12)は「力を抜いたら浮かぶと分かっていても、つい足に力が入って沈んでしまう。いざというときに思い出せるようにしたい」と話していた。

最終更新:8/6(日) 15:38
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